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パソコン用キーボードの販売動向

2004/04/12 16:51

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

6週連続で販売台数が前年比増に

PSX発売が後押し

 テンキー電卓を除くキーボードの販売台数が伸びている。昨年12月に発売されたソニーのハードディスク搭載DVDレコーダー「PSX」が好影響をもたらした。ここ6週間は、キーボード市場全体で販売台数が前年同週を2-14%上回る状況が続いている。ベンダー別の販売台数シェアに順位変動はない。だが、2位のサンワサプライが今年1月、PSXや前機種の「プレイステーション2(プレステ2)」とパソコンにも接続でき、キーが112個あるキーボードを2機種発売し、急激に販売台数を伸ばした。昨年末には20ポイント以上あったシェア差を、3月1-7日の週には1.4ポイントまで縮め、トップのエレコムに急追した。

 プレステ2とPSX用の対話型ロールプレイングソフトでは、日本語入力用キーボードが不可欠になる。これまでプレステ2とPSX対応製品では、日本語キーに加え、電力制御を設定するACPIホットキー「Power/Sleep/Wake」搭載の109キーのキーボードが主流だった。サンワサプライのシェア拡大に貢献した製品「日本語112キーボードDOS/V用PS/2」は、キーが112個という珍しさや500円という低価格がうけた。

 最近では、水平同期周波数15kHzのディスプレイがあればゲーム画面を表示できるため、「売れ筋のAV(音響・映像)パソコンの画面でプレステを楽しむ層が増えている」(ショップ関係者)と、AVパソコンの伸長がキーボードの増加にもつながったようだ。シェア4位のオウルテックも、112キー対応の薄型キーボードでシェアを前年の倍に伸ばした。首位のエレコムは、販売台数が前年を下回る状況にあったが、昨年1月に発売した109キーのキーボードが再び見直され3月29-4月4日の週に販売を伸ばし、シェアを回復した。同市場は、USB接続でプレステ2とPSXにキーボードをつなぐ利用方法が広がり需要が拡大。これにともない、今後も趣向を凝らしたキーボードが登場しそうだ。
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