店頭流通

エディオン 仕入機能を一本化 エイデン、デオデオの統合効果高める

2004/04/26 18:45

週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載

 エディオン(久保允誉社長=写真)は、エイデンとデオデオがそれぞれで持っている仕入部門を一本化し、2004年度(05年3月期)から統合メリットをさらに発揮させる。今年度中に仕入ルートを統一し、仕入コストを削減するのが狙い。コスト削減による利益確保だけでなく、売上増加策として、ウェブサイトの統合および取扱商品の増加、中古品を販売する店舗の増加も検討していく。今年度(05年3月期)の業績は、売上高で前年度比約7%増の4700億円、経常利益で同約12%増の112億円を見込む。

 エディオンは今年1月に、商品の仕入れを中心に担当する「商品企画部」を「商品統括本部」に改称し、同本部の下に商品開発部と生活家電商品部、映像商品部、情報家電商品部、マーケティング部を設置した。これまでは、エイデンとデオデオそれぞれにも仕入部門を設置していたが、今年度(05年3月期)から持株会社のエディオンが商品仕入れを一括して行う体制を整備することで仕入ルートの統一化を図る。

 エイデンとデオデオ双方で販売している商品は、昨年度末の時点で仕入品全体の80%程度。異なる仕入ルートを活用していたことが主な要因で、残りの約20%は別の商品を販売していたという。久保社長は、「今年度中に100%の商品を統一することで仕入コストをさらに削減していく」方針。物流については、デオデオがナショナル物流、エイデンが東芝物流を活用している体制を、今年10月をめどにどちらかに集約する。

 また、「商品を統一することは、新しい店舗作りを進めていく必要も出てくる」と強調しており、「商品を仕入れるうえで、単品で販売する商品ではなく、ソリューショaンを提供できる戦略的な商品を仕入れていく」という。今年5月には、メーカーとの共同で、NTTドコモの「iモード」などインターネットを通じてテレビの録画が可能な携帯電話をオリジナル商品として販売する。主要店舗でAV(音響・映像)機能を搭載したパソコンと携帯電話を展示したデモコーナーを設置する予定だ。

 ウェブサイトは、今年7月にエディオンのホームページ上でネットショップを立ち上げる計画。同サイトでは、パソコンやデジタル家電などの販売に加え、このほど子会社化した「暮らしのデザイン」が扱っている家具やインテリアも販売する。商品の統一化を図るうえで、同社にとって課題になるのがリユース事業だ。エイデンのパソコン専門店である「コンプマート」では、パソコンを中心に中古品を販売しているものの、デオデオの店舗では中古品を扱っていない。久保社長は、「パソコンだけでなく、液晶テレビやDVDレコーダー、デジタルカメラなど幅広い種類の中古品をコンプマートだけでなく、デオデオとエイデンの家電量販店で販売することや、中古専門店を出店する」ことも検討する。
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