店頭流通

バッファロー PCサプライに参入、7月にマウスなどを発売

2004/05/24 18:45

週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載

 バッファロー(斉木邦明社長)はパソコン(PC)サプライ市場に参入する。第1弾として7月にマウス、キーボード、ケーブル類を発売。なかでも、マウスはデザイン、品質、価格面で競合他社より優位性のある製品を販売し、市場に一石を投じる。サプライ品の販売に着手するのは、無線LAN関連機器で獲得しきれていないパソコン初級者層を顧客に確保するのが狙い。今秋には第2弾となる製品の発売も計画しており、今年度(2005年3月期)に10億円の売り上げを見込む。さらに、06年には100億円規模まで売り上げを引き上げる計画だ。

06年、売上100億円見込む

  バッファローは、中国の部品供給メーカーを仕入先に確保することで、パソコンサプライ市場への参入を図る。部品メーカーの製造工場にバッファローの社員を派遣し、部品の組み合わせも含め、競争力のあるデザイン、品質、価格競争力を備えた製品開発に取り組んでいる。

 第1弾はこの夏商戦に合わせ、7月にマウス、キーボード、ケーブル類を発売する。市場参入に向けたプロジェクト発足当初は、多くの製品を一気に市場投入する“一夜城戦略”を計画していたが、「絶対品質」が第1条件であるため、製品を絞り込むことにした。アイテム数は3製品合わせ、まず300種類とする。

 マウスは、読み取り方式でボール式と光学式の2種類を用意。サイズは、手のひら全体でつかむタイプや、指先でつまんで操作するタイプなど、ユーザーの好みにより持ち方が異なることを考慮し、「手のひらサイズ」や「指先タッチサイズ」など4種類を揃える。色は8種類を用意する。「フィット ユア スタイル」をコンセプトに、店頭では実際に使い勝手を体験できるデモコーナーを設置し、ユーザーが自分に最適なマウスを選べる環境を作る。

 マウス市場は、エレコムやサンワサプライ、マイクロソフト、ロジクール、アーベルなどの大手メーカーが激しい競争を繰り広げている。しかも、パソコンおよび関連機器のなかでは参入企業が多い市場でもある。そのため、デザインで差別化を図ることに加え、価格面で優位に立つことでシェア獲得を狙う。

 具体的な価格は今後詰めるが、3000円程度のボリュームゾーンで競争力のある価格を設定する。他のマウスメーカーと比べ、製品ラインアップを絞り込む分、低価格に設定しても着実に利益が確保できると試算している。加えて、無線LAN関連機器やメモリなどで培った物流の仕組みを生かし、在庫(滞留)期間は20日間を徹底する。

 サプライ製品は、パソコンにそれほど詳しくなくても手軽に購入できるという点で、コンシューマ向けパソコン関連機器のなかでは初級者にもとりつきやすい分野。同社がサプライ製品を発売するのは、パソコン初級者をユーザーに獲得することで顧客層の裾野を広げ、ブランドイメージの向上・浸透により、無線LAN関連機器などの拡販につなげる狙いもある。

 国内サプライ市場は、ファニチャーなどを含め600億円規模とみられる。バッファローでは、今年度の売上高は目標10億円と控えめだが、今秋をめどに第2弾を投入するなど事業を加速し、カテゴリーの拡大などをテコに06年には100億円規模の売上高を目指す。
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