店頭市場ピックアップ

セキュリティソフトの販売動向

2004/05/31 16:51

週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載

トレンド、シマンテックに肉薄

6.8ポイント差まで詰める

 セキュリティソフト市場では、トレンドマイクロが徐々にシェアを伸ばし、シマンテックが堅持するトップシェアの座を脅かしている。図は、最近半年間のBCNランキング月次データをもとに、セキュリティソフト市場のシマンテックとトレンドマイクロのシェア推移を示した。トレンドマイクロが着々とシェアを伸ばす一方、シマンテックのシェアは反比例する形で下落している。最近半年間でみると、2003年11月の時点で最大、本数ベースで17.1ポイント、金額で22.1ポイント開いていた差は、今年4月の月次データでは本数で6.8ポイント、金額で10.6ポイントまで縮まってきている。

 セキュリティソフト市場で常にトップの座を争ってきた両社が、ここ最近で最も接近している状況だ。例年この時期は、両社ともに秋に発売する新バージョン前の追い込みとも言うべきキャンペーン合戦を繰り広げる。トレンドマイクロは先々週末の5月21日から店頭に飾る販促ツールを一新し存在感をアピール。ある店舗ではソフト売り場だけでなく、パソコンなどが展示される1階フロアにも商品を並べるなど拡販戦略を展開、ユーザーへの訴求力を高めている。

 これに対し、シマンテックは「ノートン・インターネットセキュリティ2004」にセキュリティ対策の解説本と、パソコン上で使うIDやパスワードを一括管理できるソフトの体験版を同梱した特別モデルを用意。30万本限定で6月4日から販売開始し、突き放しにかかる。今年前半戦のトップシェアはどちらが獲るのか──。シェアが拮抗してきたなかでのキャンペーン合戦だけに、成り行き次第では順位が逆転する可能性もある。2強の争いがますます熾烈になってきた。
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