全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>37.茨城・水戸(下)
2004/07/26 18:45
週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載
競合店舗との優位性をアピール
家電量販店のコジマにとっては、同じ家電量販店であるギガスケーズデンキやヤマダ電機などに対して優位性を持たなければ、水戸市内のマーケットで主導権を握ることは難しい。水戸市のマーケットシェアを拡大するための戦略的な店舗であるNEW水戸インター店の大規模なリニューアルは、コジマの起死回生策だったわけだ。水戸市では、ギガスケーズデンキとヤマダ電機がマーケットで優位を保つ存在。この2社に対抗するためには、特徴のある店舗作りをアピールすることが重要な戦術になる。
その成功例が、パソコン専門店のピーシーデポコーポレーションだ。水戸市では、高齢者のパソコン所有率が全国の都市と比較して低いといわれている。同社の水戸店は、トラブルに迅速に対応するサービスを展開。競合店に差をつけており、高齢者のユーザーからも好評を得ている。
気軽に来店できる環境作りも、ユーザーを増やすことにつながる。石丸電気がJR常磐線の赤塚駅から徒歩5分程度の見和3丁目に出店した水戸ビッグワンは、無料映画館の「シネマピット」、無料ゲームコーナーの「ゲームランド」、セルフカフェなど、ユーザーが楽しめるコーナーを多く設けている。このほか、店内のイベントスペース、屋上のライブステージでアーティストのミニライブやサイン会なども定期的に開催。地元の高校生を中心に来店者を増やしている。
人口約25万人と関東地区では比較的商圏が狭い水戸市は、国道50号線沿いを中心に多くの家電量販店が建ち並んでいることから、供給過剰の傾向が高まりつつある。生き残りをかけて、競合店舗との差別化を目指してあの手この手の販売競争がヒートアップすることは確実だ。(佐相彰彦)
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