店頭流通

ギガ・バイト ベアキットを拡販 組立キットの発売も視野に

2004/07/26 16:51

週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載

 マザーボードを中心とした組立パソコン用パーツメーカーの日本ギガ・バイト(林宏宇社長)はベアキットの拡販に乗り出す。同社は今年から、パソコン専門店や家電量販店向けにオリジナルモデルの提供を開始しており、タワー型やスリム型のベアキットに加え、キューブ型の販売にも乗り出した。今後はさらに、パソコンの「組立キット」の発売も視野に入れており、自作パソコンブームに乗って、今年度(2004年12月期)の売上高を前年度比増にもっていく。

 ベアキットは、自作パソコンの上級者から初心者まで幅広い層が購入するため、ほかのパソコンパーツに比べ購入者層が幅広いという特徴がある。日本ギガ・バイトの井上友之・マーケティング部マネージャーは、「パーツ専門店での販売だけでなく、家電量販店での取り扱いを増やしていきたい」としており、各ショップに合ったオリジナルベアキットの提供が取り扱いショップ数の増加につながると判断した。

 オリジナルモデルを提供することは、「各ショップがどのようなユーザー層を獲得したいかが把握できる。当社にとっては、このショップでは低価格の製品が売れるといったことや、機能性が高い製品が売れるなど、製品を開発供給するための重要な指標になる」と強調する。

 ベアキットのラインアップについては、今年に入ってからキューブ型のモデルを新しく市場に投入した。「デザイン面から、パソコン専門店に加え、家電量販店での販売も好調」という。

 昨年末からは、ビデオキャプチャーボードやCPUクーラーなど新しい製品の販売も開始した。製品カテゴリーを増やしたのは、「当社製品だけで構成される『組立キット』を提供する」ことが最大の目的。組立キットは、メーカーが動作検証を行い、互換性が高いパーツ製品とのセット販売を行うものだ。「当社はマザーボードの分野ではブランド力が高いと自負している。ほかのパーツも提供することで、“PC DIYの総合メーカー”として、さらにブランド力を高めていく」ことを狙う。同社が、ショップ内の一部分を借り切って定期的に開催している組立教室は、自作パソコンの新規ユーザーの獲得という点で、ショップなどから好評を得ているようだ。

 同社は、国内マザーボード市場でトップシェアを維持している。しかし、そのマザーボード市場は、激しい競争による低価格化の波が押し寄せていることに加え、市場規模自体が縮小傾向にある。「マザーボードで売上高を伸ばすことが難しくなっている」との認識から、他社との差別化が図れるベアキットの拡販に乗り出した。

 組立パソコン人気がある一方、売り上げについては、「横ばいが続いている」と楽観できない状況。今年度は、マザーボード以外でビジネスの柱となる製品を増やしていくことにより、「確実に前年度を上回る売り上げを目指す」方針を固めている。
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