店頭流通

松下電器産業 受注から納期まで1週間 パソコン生産工程を短縮

2004/09/13 18:45

週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載

 松下電器産業(中村夫社長)は、パソコンの納期を半分に短縮する。受注から納期までのリードタイムを、下期から現在の12-13日から1週間に短縮し、商戦シーズンなど生産が多い時期でも販売機会を逃さずに迅速にパソコンを出荷できる体制を整える。

 パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の神戸工場(神戸市西区)では、パソコンの組み立て方式でセル生産を採用している。今年度上期の時点で、セル生産を行う人員を前年度の1.4倍まで拡大。藤田尚住・パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツ事業部プロダクトセンター所長(=写真)は、生産要員の拡大で、「昨年度まで25日かかっていた受注から納期までのリードタイムを、今年度上期で2分の1まで短縮できた」と語る。組み立てラインにシフトした従業員が作業効率をさらにアップすることで、「リードタイムを25日の3分の1まで縮めることが可能」とするめどがたった。

 同社では、昨年冬などの商戦期にノートパソコン「レッツノート」の需要が予想以上に高まったことで生産が追いつかず、パソコン専門店や家電量販店などで品切れが続いたという苦い経験がある。こうした状況を打破するためにも、「年間50万台は生産できるキャパシティを確保する」という。

 最近では、ショップブランドのオリジナルモデルの需要が急増しており、価格面でメーカー製パソコンの劣勢が明確になっている。低価格パソコンに対抗するには、「開発、検証、納期のスピードアップ求められている。いかに特色のあるパソコンを迅速に市場に投入できるかがカギになる」と強調しており、「多様化しているパソコンのユーザーニーズに対応していく」と、生産性改善でBTO(注文生産方式)パソコンなど付加価値製品の拡販にもつなげる。
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