全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>45.神奈川・相模原(下)

2004/09/27 18:45

週刊BCN 2004年09月27日vol.1057掲載

 コジマが神奈川県座間市に出店していた座間店の売り場面積を4倍に増床し、New座間店としてリニューアルオープンしたことで、神奈川県相模原地区の家電量販競争が一段と激化するのは必至だ。

コジマ対ノジマ、競争が激化

 New座間店がある場所は、小田急小田原線相模原駅から徒歩10分程度の神奈川県道51号町田厚木線沿い。来店者が座間市の住民が中心になるが、相模原市にもほど近いことから、「座間市に限らず相模原市からの来店も多くなるだろう」(山本紀雄・執行役員東京・神奈川営業部長)とみており、リニューアルオープン後1年間の売上高は35億円を見込む。

 コジマの旧座間店は、来店者の減少で売上高が伸び悩み、不採算店舗となっていた。近隣にあった「南町田店」と「東林間店」を統合してまで残したのは、「相模原市は高額所得者も多く、1人あたりの購入単価も高い」(山本営業部長)という実績があるから。来店者数を増やせば売上高がさらに伸びると試算したからだ。

 それというのも、相模原市は8月1日の時点で世帯数が25万4076世帯、人口が62万3020人に上っており、横浜市と川崎市に次ぐ規模。横浜地区や川崎地区に構える店舗の売上高を伸ばしていくことに加え、相模原地区でユーザーを増やすことは、神奈川県でのマーケットシェアを拡大する重要な戦略になる。

 相模原市を本拠地に、堅調に売上高を伸ばしているのがノジマだ。相模原市を戦略的な地区に据え、旗艦店の古淵本店をはじめとして、競合店に比べて携帯電話で圧倒的な品揃えを誇る相模原店の「でんわ館」、パソコンに特化した専門店「コムドック相模原店」などを出店している。相模原市を中心に固定客を確保しており、同社全体の売上高は、昨年度(2004年3月期)が前年度比9.1%増の980億4200万円。今年度第1四半期は、前年同期比2.5%増の229億7400万円と増加している。

 コジマのリニューアルオープンについては、「New座間店が売り場面積を広くしたことで、客を奪われる危険性もある。現段階で影響はないが、冬商戦に向けて注視しなければならない存在だ」(ノジマ関係者)と気を引き締める。来店者の減少というダメージが顕著に表れれば、店内の改装を積極的に実施することも計画しているようだ。

 相模原地区には、ヤマダ電機の「テックランド相模原店」や「テックランド矢部店」、さくらやの「相模大野店」などが出店している。競合店がリニューアルしたとなれば、固定客がNEW座間店に流れないように、確保していくための策を練ることになる。(佐相彰彦)
  • 1