店頭市場ピックアップ

画像処理・グラフィックスソフト

2004/10/04 16:51

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

アドビが大型商材投入

初心者層の獲得が成長のカギ

 画像処理・グラフィックスソフト分野でアドビシステムズの強さが際立つ。2004年9月20-26日までのBCNランキングでは、アドビシステムズの販売本数シェアは24.4%、販売金額シェアは57.0%と6割近くを占める。実売価格10万円近い主力のプロ向けのフォトレタッチソフト「フォトショップCS」が販売金額を押し上げる一方で、初心者から中級者までを対象とした実売価格約1万2000円の「フォトショップエレメンツ2.0」が機種別販売本数シェアトップの6.3%を獲得し、全体の販売本数シェアアップに貢献している。

 今年の年末商戦に間に合うタイミングで最新バージョンのフォトショップエレメンツ3.0が投入される見込み。すでに英語版は米国本社で発表済みで、日本語版についても時期を大きく遅らせることなく投入が可能だと見られる。販売店関係者は、「エレメンツ2.0は発売後約2年が経過してもトップシェアを堅持するヒット商材。新作の3.0が登場すれば画像処理、グラフィックス市場が大いに盛り上がる」と期待を膨らませる。

 2番手につけるのはエー・アイ・ソフトで、販売本数シェア13.4%、販売金額シェア5.1%を獲得。3番手はソースネクストで販売本数シェア11.3%、販売金額シェア1.5%を獲っている。ソースネクストはフォトレタッチやドローソフトの1980円化を達成しており、絶対的な価格優位性がある。だが、市場の流れはエー・アイ・ソフトの主力製品で実売約5000円の「デジカメde!!同時プリント8」に向いている。

 エー・アイ・ソフトは「多くの初心者は、多機能で汎用的なフォトレタッチソフトよりも“デジタルカメラの画像を編集してプリントする”という用途が明確なデジカメde!!同時プリント8を選んだ」と分析する。一方、ソースネクストは「レタッチやドローの認知度が初心者層に広まれば、今後のシェア拡大は大いに可能だ」と追撃の姿勢を崩さない。
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