店頭市場ピックアップ

液晶テレビの販売動向

2004/10/11 16:51

週刊BCN 2004年10月11日vol.1059掲載

「アクオス」強し

シャープ、台数シェア54%確保

 好調が続く液晶テレビ市場で、「AQUOS(アクオス)」を擁するシャープが、圧倒的な強さを見せつけている。図は、BCNランキングによる直近の週次データ(9月27日-10月3日)をもとに、液晶テレビのメーカー別販売台数シェアを表した。シャープは、台数ベースで54.0%、金額ベースで60.6%のシェアを獲得。2位のソニーに台数で36.9ポイント、金額で44.4ポイントの差をつけており、独り勝ちの状況だ。ソニーに次いで3位に位置するのは東芝、4位には松下電器産業と続くが、ともに獲得台数シェアは10%未満で、現状ではシャープの牙城を崩す存在には至ってない。

 製品別順位でも、シャープの強さは明らかだ。画面サイズ13V型のモデルが台数シェア13.9%でトップに立っているほか、製品別上位トップ10のうち、6モデルをシャープで占めている。シャープは現在、画面サイズ13-45V型まで合計8サイズ、約50モデルをラインアップ。また、「アクオスカスタム」という、顧客の要望に応じ画面周辺を皮や木目仕様に仕立てるオーダーメイド製品も販売しており、モデル数でも他社を引き離している。

 先週開催された映像や情報、通信機器の総合展示会「CEATEC JAPAN 2004」でも、シャープは世界最大サイズとなる65V型液晶テレビを参考出品。来場者の注目を集めた。シャープに対抗するソニーは、薄型テレビ「ベガ」の液晶ラインアップを拡充するとともに、高級感を打ち出したハイエンドブランド「クオリアシリーズ」で液晶テレビを初めて製品化、11月から販売開始する。また、東芝、松下電器、日立製作所の3社は、来年1月に液晶パネル製造合弁の設立を予定しており、量産体制を築きつつある。液晶テレビで圧倒的な強さを誇るシャープの勢いがどこまで続くのか、まだ予断を許さない。
  • 1