全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>47.東京・町田(中)

2004/10/11 18:45

週刊BCN 2004年10月11日vol.1059掲載

 東京・秋葉原電気街や新宿地区などの都心部と比べ、パソコンマニアや上級者が訪れる機会が少ない町田地区では、組み立てパソコン用パーツ専門店だけでなく、パソコン専門店でもコンシューマ向けパソコンの需要落ち込みのダメージを受けている。ソフマップの「ギガストア町田店」は、小田急町田駅前の大型スーパー「西友町田店」内にテナント出店しているので、主婦層の来店は多い。しかし「買い物のついでに購入する商品は、プリンタのインクや紙、電池など。パソコン本体を購入するケースは少ない」(ギガストア町田店の田代徹店長)という。

強みを生かしリピーター増へ

 また、ショップブランドのオリジナルパソコンやパーツ類などを充実させている点や、秋葉原電気街を本拠地にしている“ソフマップ”というブランドイメージが、「マニアや上級者が来店するショップと地元住民からみられている」と話す。メーカー製のパソコン本体をはじめ、関連機器でも初級者が購入する商品については、JR町田駅前に店を構えるヨドバシカメラの「マルチメディア町田」と比べても、「品揃えの面で差別化を図ることが難しい」と、ヨドバシカメラの圧倒的な品揃えに兜を脱いだ恰好だ。

 ユーザーを優良顧客として確保するためには、「競合店にはない強みを出さなければならない」。実際、「マニアや上級者が売り上げを支えている」という。しかし、優良顧客が増えないことから、「単価下落の点も含め、売上高が減少傾向にある」のは否めない。

 ユーザーを増やすためにソフマップが力を入れているのがリユース事業だ。なかでも、ギガストア町田店で着目しているのは、デジタルカメラやDVDレコーダーなど、パソコン初級者でも購入傾向が強い商材の買い取りだ。パソコン本体だけでなく、デジタル家電機器でも買取サービスの信頼感を高めていくことが、「パソコン初級者の来店を増やすことになる」と強調する。

 同店では、ユーザーが気軽に中古品を持ち込めるように、買取コーナーを入り口近くに設置。買取専用のカウンターも3台用意し、待ち時間を極力少なくすることで、ユーザーがストレスなく下取りの相談が受けられるようにしている。

 現段階では、パソコンを下取りに出すユーザーがほとんどという。しかし、「デジタル家電機器も買い取っていることを入り口でアピール、新規ユーザーもキャッチできる」とキッパリ。買い取りで獲得したユーザーの買い替えを促進することで売上増につなげるのが狙いだ。(佐相彰彦)
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