店頭市場ピックアップ

USB携帯メモリの販売動向

2004/10/18 16:51

週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載

バッファローが首位を維持

エレコム参入で競争激化か

 USB携帯メモリ市場は、バッファローがマーケットシェアの主導権を握っており、競合メーカーがなかなかトップ争いに食い込めない状況だ。同社は、今年10月4-10日のメーカー別販売台数シェアで37.6%を獲得した。そんななか、マウスをはじめとするサプライ関連機器で確固たる地位を誇るエレコムがソースネクストとフラッシュメモリ分野で業務提携し、USB携帯メモリ市場に新しく参入すると表明した。ビジネスソフトをバンドルしたUSBフラッシュメモリを、10月29日から発売する。

 エレコムの葉田順治社長は、「パソコンはピークが過ぎ、コモディティ化が進んでいる」と強調。「ソフトとハードの融合で新しい可能性を見い出す」と、これまでにない“組み合わせ”で需要の底上げを狙う。ソースネクストの松田憲幸社長は、「USBフラッシュメモリにソフトをバンドルすることは、ソフトのインストールに関して、CD-ROMなどの光ディスクやダウンロード以外に新しいインストール方法が加わることになる。ノートパソコンのなかにはCD-ROMドライブがない機種もある。こうしたパソコンでもインストールが可能になる」と、ビジネスソフトの新規ユーザー開拓に自信をみせる。

 パソコン専門店や家電量販店からは、「商品として差別化しにくいUSB携帯メモリに付加価値を付けることは、ユーザーの購入意欲を促すことになる」、「ソフトユーザーの掘り起こしにつながる」など、歓迎の声が挙がる。一方、「人気が高いソフトをバンドルしなければ売れない危険性もある」と指摘するショップもある。エレコムでは、初年度5億円の売り上げを見込む。USB携帯メモリで新しいビジネスを創出したエレコムが、ソースネクストとの提携によるソフトバンドル戦略でシェアをどれだけ獲得できるかに注目が集まる。
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