全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>48.東京・町田(下)
2004/10/18 18:45
週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載
来店者の購入を促進

町田駅は、小田急線で新宿方面、JR横浜線で横浜方面に行くことが容易だ。このため「休日になると、町田で買い物をしない地元の住民が増えている」ことに頭を痛める。しかし、休日には実際に3万人の来店者はある。商品を見るのは地元の町田でも、買うときは新宿や横浜という消費者が多いということ。つまり「来店者」イコール「購入者」ではない。ヨドバシの場合、レジ通過数は「来店者の3分の1程度」で平日6000-7000人、土日でも約1万人と少ない。石井店長はこれを、「来店者の2分の1以上に引き上げる」ことを目指している。町田界隈ではこのように消費が伸び悩んでいるだけでなく、周辺地域への量販店進出で町田に訪れる消費者も伸び悩む。
商品の購入に結びつけるために力を入れているのはデジタルカメラだ。「今年の冬商戦は、デジタルカメラの買い替えを促していくことに加え、家庭での写真出力を前面に押し出すことでインクジェットプリンタ、インクや紙など消耗品の販売を伸ばしていく」(石井店長)としている。家庭での写真出力が簡単であることを訴えるため、店内でパソコンなしで行えることを詳しく説明するPOPを掲げる。今後は、「定期的に写真教室を開催する」ことも予定に入れている。
また、薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV(音響・映像)機器の需要が拡大していることから、「引き続き販売台数を増やしていく」のは当然だが、「パソコン本体は厳しかった」ことから、夏商戦で落ち込んだ情報関連機器の底上げを図る。
最近は、「AVとパソコンの融合が進んでいる」とし、従業員に対し、すべてのフロアを担当できる教育を徹底している。「ユーザーの半歩先を行く知識を蓄えて接客する」ことが購入動機をくすぐる作戦というわけだ。(佐相彰彦)
- 1