店頭流通

松下寿電子工業 記録型DVDドライブが好調 生産台数、前年度比2倍へ

2004/11/01 16:51

週刊BCN 2004年11月01日vol.1062掲載

 松下寿電子工業(千葉富泰社長)は、今年度(2005年3月期)の記録型DVDドライブの生産台数が前年度比約2倍の300万台に達する見通しを示した。パソコンメーカー各社がテレビパソコンなど記録型DVDを搭載した製品開発に力を入れていることから需要が拡大した。

 記録型DVDについて、同社ではDVD-RやDVD-RW、CD-RWなど複数のメディアに対応したスーパーマルチ仕様の記録型DVDドライブを主力に位置づけているが、05年中には記憶容量が最大で50ギガバイトの次世代DVD「ブルーレイディスク(BD)」ドライブの生産に着手する。BDドライブの需要動向を見極めながら徐々に生産台数を増やし、06年中盤以降には月間10万台の生産台数を見込む。主にパソコン用のBDドライブを生産する。

 千葉社長は、「パソコンでBDを活用する用途提案次第で需要動向が大きく変わる」と、BD導入は需要喚起策が重要だと指摘する。

 一方、BDを使ったAV(音響・映像)機器の分野は「ハリウッド映画などのコンテンツを供給することで需要を喚起できる可能性が高い」と、比較的安定した需要拡大が見込めると予測する。

 同社の今年度の連結売上高は約3000億円の見込みで、このうち記録型DVDドライブや小型ハードディスクなどを含むストレージ分野は全体の約3割を占める見通し。BDドライブの立ち上がりが今後の業績拡大に少なくない影響を与えるものと見られる。

 パソコン用の次世代DVDドライブの普及速度は、用途やメディアの価格などの影響を受けやすいのに加え、NECや東芝などが提唱する次世代DVDの規格「HD DVD」と並立した状態であることから、需要予測がつきにくい側面もある。
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