店頭市場ピックアップ

セキュリティソフトの販売動向

2004/11/08 16:51

週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載

新バージョン出揃う

トレンドマイクロ、トップ猛追

 セキュリティソフトの新バージョンが大手セキュリティソフトベンダー各社から出揃った。上位4社の新製品がすべて出揃った10月下旬でも、順位の変動は見られず、依然シマンテックがトップシェアを堅持した。

 図では、BCNランキング週次データをもとに、最近1か月間のベンダー別販売本数シェア推移を表した。

 シマンテックと4位のマカフィーがともに10月15日に、トレンドマイクロは10月22日に新バージョンを発売。ソースネクストは、一足先に7月8日に新製品を販売開始している。

 シマンテックは、新バージョン発売前の週(10月4-10日)では、2位のトレンドマイクロに本数シェアで約4ポイント差まで迫られていたが、新バージョン発売の週(10月11ー17日)にシェア52.0%を獲得。トレンドマイクロに約30ポイントの差をつけて、再び引き離した。一方、トレンドマイクロは、新バージョンの投入で発売前の週に比べ7ポイント程度のシェアアップにとどまったが、その後じわじわとシェアを拡大させており、再び両社間のシェアは縮まりつつある。

 両社を追う3位のソースネクストは、7月8日の新バージョン投入後、日次データで一時トレンドマイクロを抜いて2位に浮上したが、その後はシェア20%前後で推移している。また、コンシューマ事業再参入後、2回目の新バージョン投入となるマカフィーは、新製品の市場投入でも1ポイント程度のシェアアップにとどまり、4位のポジションから抜け出せていない。

 各社の新バージョンの傾向をみると、新機能をこれまでになく豊富に盛り込んだ印象がある。パーソナルファイアウォール、スパム対策、個人情報漏えい対策をカバーするなど、高機能化が一気に進んだ。ただ、機能を豊富に盛り込むことはユーザーに混乱を与え、使い勝手を悪くしてしまう欠点もある。「使いやすさ」といったポイントが、明暗を分ける要素になるだろう。
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