全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>53.秋田県秋田市(上)

2004/11/22 18:45

週刊BCN 2004年11月22日vol.1065掲載

 秋田県秋田市では、JR秋田駅の東地区で家電量販店の競争が繰り広げられてきたが、西地区にヤマダ電機やデンコードーが出店し、最近では秋田市全体で顧客争奪戦が激化している。

JR秋田駅の東西で激しい争い

 秋田市内を色分けしてみると、東地区にパソコンショップが多い。これは、オフィス街の西地区に比べ、東地区は住宅が多いため。各店舗は、平日に会社員や地元の主婦層に来店してもらうことや、休日に家族で気軽に訪れてもらう思惑で出店しているというわけだ。加えて、東地区には、秋田自動車道の秋田中央インターチェンジがあることで旅行者の目にも入りやすい。

 東地区には、今年11月中旬時点で、家電量販店でギガスケーズデンキの「ケーズデンキ秋田本店」やコジマの「広面(ひろおもて)店」、パソコン専門店でアイネックスの「COM」やオーエー・システム・プラザの「秋田店」などがある。

 しかし、07年3月には国道7号線の臨海十字路を起点とし、秋田自動車道の秋田中央インターを終点とする約8キロメートルの秋田中央道路が開通する。これで秋田中央インターと西地区が直接つながる。今は秋田駅東西間を結ぶ道路が手形陸橋と明田地下道の2路線しかないため、鉄道や旭川を横断する幹線道路の交通渋滞が深刻だが、秋田中央道路の開通でこれも緩和される。ショッピング街やビジネス街である西地区での集客がさらに増すことになり、同地区への出店が効果的になる可能性が出てくる。そのため、デンコードーは東地区にあった店舗を「Maxデンコードー秋田店」として西地区に移転。ヤマダ電機は、大規模の「テックランド秋田本店」をオープンした。

 これにより、東地区に出店しているショップの商圏が〝秋田駅より東側〟に限定されることになりかねない。しかも、家電量販業界で1兆円以上の売り上げを誇るトップ企業で、プライスリーダーとなっているヤマダ電機の秋田市西地区の出店は、秋田地区での価格競争を激化することになった。

 東地区で出店しているショップにとって、来店者や売上高の減少は避けられなかった。秋田市を本拠地とするアイネックスでは、「過剰出店や価格競争が激しくなったことから、今後は店舗がどうあるべきかを一層考えていく」(関係者)と、パソコン専門店という特殊性を生かした競争に巻き込まれない〝筋肉質〟のショップを作ることを模索している。(佐相彰彦)
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