店頭流通

DVDメディア出荷量 価格競争はより厳しく 前年比3-4倍のメーカーも

2004/11/22 16:51

週刊BCN 2004年11月22日vol.1065掲載

 DVDレコーダーの出荷量増加にともない、映像記録用のDVDメディアの出荷量が大幅に増えている。メディアを提供するメーカーのなかには、「昨年の3倍から4倍の出荷量となるのではないか」という強気の見方も出ている。

 日本記録メディア工業会の調べによれば、これまで映像記録の主役だったビデオテープの出荷量は年々減少する傾向が顕著になっている。

 2002年度(02年4月-03年3月期)が前年度比18%減の2億4700万本だったのに続き、03年度も同15%減の1億9900万本と出荷量が2年連続で落ち込んでいる。

 これに対して映像記録用DVDは、02年度はDVD-Rが前年度比580%増の680万枚、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+RWの書換型DVDが同135%増の634万枚だったが、03年度にはDVD-Rが録画用で同206%増の5200万枚、データ用が同417%増の6200万枚、書換型DVDは録画用が同170%増の2700万枚、データ用が同29%増の900万枚と大きく伸長している。

 DVDレコーダーは02年度から本格的な普及期に突入したが、「これまでDVDレコーダーを利用していたのは、マニアユーザーが中心だった。しかし、今年はレコーダーを発売するメーカーが増加し、ターゲットが一般の主婦層などマニア層以外に広がっている。今年の年末にはさらにDVDメディアの活躍の場が広がる」とメディアメーカーは自信を見せる。

 ただし、メーカーの間ではすでに過当競争気味。特にコンシューマ向けの録画用DVDでの価格競争が厳しくなってきている。

 これは、パソコン用DVDの場合、倍速スピードや二層式といった技術的な特徴をアピールし、他社製品との差別化を訴えることができるものの、コンシューマ向けのDVDレコーダーは倍速スピードなど技術面をアピールすることがないためだ。

 メディアの場合、「規格に対応して安心して利用できることが必要となるため、メーカー独自の技術をアピールすることが難しい」という問題もある。

 このためメーカー各社は技術的な特徴ではなく、信頼性、デザインなどを武器に、一層の需要拡大が見込まれる年末商戦に臨むことになりそうだ。
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