店頭流通

アロシステム 関東地区のショップを名称変更 「パソコン工房」を「ツートップ」に

2004/11/29 18:45

週刊BCN 2004年11月29日vol.1066掲載

 大阪・日本橋電気街を本拠地とするアロシステム(大野三規社長)は、関東地区で展開するBTO(受注生産方式)パソコンショップ「パソコン工房」を組立パソコン用パーツ専門店の「ツートップ」に統一することを明らかにした。東京・秋葉原電気街にある店舗を手始めに、年明けから移行に着手する。

PCパーツ専門店化で増収増益狙う

 同社は、ツートップを運営するユニットコムを昨年10月に統合し、シナジーを発揮できるビジネスモデルの構築を模索していた。関東地区で価格優位性をもつパーツ専門店を活用し、マーケットシェア拡大を図ることが最適と判断した。 関東地区での店舗名称の変更に続いて、アロシステム自身も来年4月1日付で「アロユニットコム」に社名変更する。

 パソコン工房からツートップへの名称変更は、来年度初めまでに関東地区にある8店舗全てを対象に実施する。大阪・日本橋電気街に次ぐ第2の拠点である東京・秋葉原電気街では、「パソコン工房秋葉原店」と「ツートップ秋葉原本店」の両店を、共にツートップとしてPCパーツ専門店に変える。ドミナント(高密度多店舗展開)戦略で売上高を拡大していくことが狙いだ。

 大野社長は、「異なった店舗形態で同じ地区に出店しているのは非効率。競合店との優位性を保つためには、パソコン工房に比べ知名度が高く、優良顧客を持っているツートップに名称を統一した方が増収を狙える」と判断した。

 物流面では、物流センターはこれまで大阪府に1か所だったが、このほど物流会社に東日本地区における物流のアウトソーシングを委託。関東地区のパソコン工房をツートップに統一することで、一括大量仕入れにより部品コストを低減、売価ダウンを図っていく。

 パソコン工房が主流とするBTOパソコンの拡販については、ネットショップを強化。12月1日からは、BTOモデルやパーツの販売だけでなく、バンドルできるビジネスソフト数を増やす。パソコン上級者に加え、中級者や初級者でもウェブサイトからソフトウェアを含め自分に最適なパソコンを購入できるようにする。

 今年度(05年3月期)の売上高は具体的な数字を明らかにしていないが、「前年度の10%増程度」の成長を見込む。ただ、「今年10月単月では、前年同月比5%増程度だった」という。BTOパソコンは、「メーカーがウェブで積極的に拡販を図っており、競合ショップもホワイトボックスを切り口にパソコンのBTO化に取り組んでいる。競争が激しくなっているなか、当社でもパソコンの低価格化は必須だ」と危機感がある。そのため、「パソコンの販売価格を下げるには、秋葉原地区を中心とした関東地区では、パーツを販売するツートップの方が価格勝負で有利」として、パソコン工房をツートップに統一する。

 一方、西日本ではパソコン工房の自社出店を加速することに加え、家電量販店とのアライアンスで店舗内にコーナーを設けて、パソコン工房で扱う商材を販売するフランチャイズ事業も進めている。すでに複数の家電量販店と契約を交わしている。

 量販店とのアライアンスが軌道に乗れば、東北地区の宮城県仙台市のようにツートップとパソコン工房の両店舗がある地域でもショップ内に店を構える“ショップインショップ”でパソコン工房とツートップ両店舗の強みを発揮していく可能性もある。
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