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ゲーム専用機の市場動向

2005/01/24 16:51

週刊BCN 2005年01月24日vol.1073掲載

携帯型の発売で大幅増に

昨年12月は前年同月の3倍近くに

 パソコン専門店や家電量販店でゲーム専用機の販売が好調だ。BCNランキングによると、2004年冬商戦で需要が最もピークに達する12月、台数ベースで前年同月の291%、金額ベースで同286%と、台数、金額ともに3倍近くの伸びをみせた。

 爆発的な販売増は、任天堂が「ニンテンドーDS」を12月2日に発売したのに続き、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が「プレイステーション・ポータブル(PSP)」を12月12日に販売開始するなど、大手メーカー2社が立て続けに市場投入したことが大きい。多くのショップは、年末年始の売れ筋商品にゲーム関連商品を挙げる。

 ハードの売れ行きに歩調を合わせ、携帯型ゲーム機専用ソフトの販売も増加。12月の販売は本数で前年同月の267%、金額で同253%に達した。任天堂の「スーパーマリオ64DS」や「さわるメイドインワリオ」、ナムコの「リッジレーサーズ」、SCEの「みんなのGOLFポータブル」などが売れ筋となった。

 昨年の夏商戦は、例年なら需要が盛り上がるはずの7月に台数で前年同月の59%、金額で同49%、8月に台数で同61%、金額で同50%と不振が続いた。9月に入ってからも台数で同63%、金額で同46%と厳しい状況が続いたが、冬商戦を迎えてそれまでの低調さを挽回したといえる。

 冬のボーナス商戦、クリスマス商戦では、子供へのプレゼント、自分で楽しむためなど、さまざまな目的で携帯型ゲーム機を購入しようと会社員がショップを訪れる姿が目立った。また、任天堂がテレビコマーシャルなどにアーティストの宇多田ヒカルさんを起用したことで、「ニンテンドーDS」を女性が購入するケースも増えた。

 こうした現象は、携帯型ゲーム機が幅広い年齢層から支持される商材になったことの現れ。当面は、携帯型ゲーム機がショップの売上増に大きく寄与する商材になりそうだ。
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