全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>61.東京都府中市(中)

2005/01/24 18:45

週刊BCN 2005年01月24日vol.1073掲載

 組立パソコン用パーツ専門店「パソコン工房」を運営するアロシステムは、近くネットショップで提示する価格帯を店舗でも採用する。価格下落が激しいウェブサイトの販売価格を打ち出すことで競合店舗との低価格競争に勝つ。全店舗とも現状価格の10%程度は下がるとみられる。

サポート強化で利益を確保

 東京都府中市で、パーツの安さに自信をもつ「パソコン工房府中店」では会社の価格戦略について、「ウェブと同価格とすることで低価格を一段とアピールできる」(鈴木啓修店長)と他社との価格競争に負けない自信を深めている。「府中市に限らず、近隣のパーツユーザーを顧客として増やしていく」と、東京都西部のマーケットシェアを高めていく方針を打ち出している。

 さらに、「パーツの売値を下げれば、BTO(受注生産方式)パソコンの価格をさらに下げることができる」と語る。パソコン本体でヤマダ電機やコジマ、ギガスケーズデンキ、ピーシーデポコーポレーションなど府中市に出店している競合店との価格競争でも優位に立てるというわけだ。

 しかし、低価格化は利益を圧迫することになる。そこで、競合店との差別化策という点からも、サポートの強化を徹底している。これは、駅前や電気街で店を構えていない郊外店では、「地域密着型のサポートが重要」(大野三規社長)というコンセプトから力を入れていることだ。

 同店で購入したパーツのマッチング保証はもちろん、競合店で購入したパーツで自作したパソコンの不具合、メーカー製パソコンのトラブルについても対応。「専門店という理由から、ユーザーはメーカーを問わずパソコンに関する質問に答えてくれると認識している。そのニーズにできるだけ応えるため、〝いっそのこと、当店に持ってきてください〟と受けたのが始まり」という。店内には「サポートカウンター」を設けており、トラブルの原因を丁寧に説明。「1-2時間、説明する時もある」ようだ。これがユーザーの信頼感を高め、パーツの購入時には同店を利用する場合が少なくないという。ほかにも、パソコン工房のBTOパソコン購入者に対しては、商戦時期など期間限定で出張サービスも実施している。

 また、ウェブサイトで購入した商品を同店で受け取れるサービスもこのほど開始。「会社帰りのビジネスマンを中心に利用が増えている」。来店してもらえれば、他の商品をついでに購入してもらえることにもつながる。

 同店は、サポートで利益を確保する体制を敷いた。これにより、「ハードウェアをとことん安くできる」と自信をみせている。(佐相彰彦)
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