店頭流通

LAN接続外付けHDD市場 昨年12月に急拡大 大容量データの保存ニーズに合致

2005/01/24 16:51

週刊BCN 2005年01月24日vol.1073掲載

 LAN接続による外付けHDD(ハードディスクドライブ)市場が昨年12月に急拡大を見せた。11月まで動きはほとんどなかったのに対して、12月は2004年1月を100とした場合の指数で33.8ポイント増と大きな伸びを示した。

 これまで大きな波がなかった市場だが、HDD搭載のDVDレコーダーを購入しようという消費者が、AV(音響・映像)パソコンの記憶容量を外付けHDDでアップするというニーズが出てきたと見られる。

 05年1月10-16日のBCNランキング週次データでは、メーカー別販売台数シェアでバッファローが64.6%を占めてトップ。次いでアイ・オー・データ機器が29.4%となっている。

 アイ・オー・データ機器は、LAN接続ハードディスク「LANDISK(ランディスク)」を03年11月に発売。当初のターゲットは既存のパソコンユーザーだった。しかし、ブロードバンドの普及とHDD搭載DVDレコーダーがコンシューマに広がったことが引き金となり、テレビ番組などの記録には大容量が必要なことから、LAN接続外付けHDDの新規市場開拓へ力を入れ始めたという。

 「技術的には新しいものではないが、LANで接続できる使い勝手の良さが市場拡大につながった」(西島久尚・ネットワーク&ソリューションユニットグループリーダー)としており、「電源を入れるだけで使用できるという家電的発想が新規ユーザー開拓につながった」(同)と家電の延長のような使いやすさが市場受けしたという。

 パソコン周辺機器メーカーは、これまでの技術を通常のパソコンだけではなく、AV機能を生かした動画記録やテレビへのダイレクト接続などの新規用途にも使っており、事業強化を図っている。各社ともHDD搭載のDVDレコーダーでは実現できない機能をアピール。外付けHDDの増設により、大容量データの保存のための拡張ができるメリットや、操作性を家電製品のように容易にするなど市場に理解してもらうための提案に力を入れている。
  • 1