店頭流通

三洋電機 家庭用ネットワークカメラ「ホビカ」の販売開始 屋外設置用の販売なども検討

2005/02/07 18:45

週刊BCN 2005年02月07日vol.1075掲載

 三洋電機(桑野幸徳社長)はこのほど、外出先から携帯電話などを通じて自宅の様子をチェックできるネットワークカメラ「ホビカ」の販売を開始した。近く、デモ用DVDとポータブルDVDプレイヤーなどの家電量販店向け販促ツールの配備を始めるほか、ISPを通じた斡旋やマンションデベロッパーなどとの連携も図る方針。さらに、屋外設置用などの商品ラインアップの拡充も検討中。コンシューマ市場の本格開拓により、ネットワークカメラの新たな需要喚起を目指す。

 ホビカは、無線・有線タイプ(メーカー希望小売価格6万5100円)と有線タイプ(同5万8800円)の2機種ある。昨年10月の「CEATEC JAPAN」などにも出展され、当初は昨年11月に発売予定だったが、カメラサーバーサービス「ホビカネット」への複数利用者による同時アクセスの負荷など、システム運用面での検証などのため発売を延期していた。

 ホビカネット(月額利用料金840円)を通じた携帯電話やパソコンなどの操作により、上下130度・左右182度にカメラの向きを変えて自宅内の様子をチェックできるほか、センサー内蔵で家族の帰宅やペットの動きなどといった状況の変化をメールで通知する。さらにリモコン機能により照明やエアコンのオン・オフを外出先からコントロールできる。

 コンシューマをメインターゲットとしているが、発売開始前から三洋電機への問い合わせが月間数100件単位で寄せられている。このため、当面は家電量販店などの店頭チャネルの開拓を進める方針。しかし、同社が手掛けてきた業務用監視カメラシステムと異なり、コンシューマへの使用法の提案や操作法などの説明も必要になる。このため、現在、デモ用DVDとポータブルDVDプレイヤーなどといった販促ツールの準備中で、近く一部量販店での店頭への配備を始める。

 一方、マンションデベロッパーなども商品の高付加価値化の観点から興味を示しているほか、インターネットの常時接続環境が使用の前提となるため、ISPなども販売チャネルとして利用する方針。価格面でも家電量販店などと格差が生じないよう工夫し、普及促進につなげる考えだ。

 システム上は4台のカメラをコントロールできるようになっており、2台目以降の月額利用料金は210円に設定している。しかし、発売中の2機種はいずれも屋内設置用で、屋外設置用カメラとの組み合わせを求めるニーズも強い。

 このため、三洋電機では年央をめどに屋外設置用の販売を目指す。さらにホビカとホビカネットのコンセプトをベースとした簡易型業務用システムのニーズが顕在化する可能性もある。現行システムはあくまで家庭用を前提にしているため、業務利用ニーズの動向をみながら、必要に応じて改良なども検討する考えだ。
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