パナソニックコネクトは2025年12月、SaaSパートナープログラムを刷新した。製品ごとに提供してきたパートナープログラムを統合し、セールスとテクニカルの両面でパートナーとの連携を強化する。加えて、今後のSaaSラインアップ拡充を見据え、拡張性の高さも意識した枠組みとすることで、プロダクト追加にも柔軟に対応できる体制を目指す。(大向琴音)
ニーズの拡大受け共通化
同社は、顔認証クラウドサービスの「KPASクラウド」や現場映像活用サービス「Cameleo」などのSaaSを展開しており、これまではそれぞれの商材の特性に合わせて個別のパートナープログラムを設けていた。KPASクラウドは20年の提供開始当時、PaaSとして展開していたことから、自社サービスに組み込んで提供するテクニカルパートナーを広げてきた。一方、Cameleoでは、セールスパートナーを増やしてきた。
しかし、KPASクラウドを再販したいとのニーズや、API連携を通じて自社プロダクトとCameleoを組み合わせたいといったニーズが増えてきたことから、セールスパートナーとテクニカルパートナーの両面でパートナービジネスを推進するため、パートナープログラムを共通化した。
セールス、テクニカル両面で支援強化
新たなSaaSパートナープログラムの提供にあたって重要視するのが、パートナーに対する支援の強化だ。セールスパートナー向けには、プロダクトの訴求ポイントや他社製品との比較ポイントのほか、提案書の標準フォーマットといった営業活動に必要な情報を提供するのに加え、セールストレーニングにも力を入れる。
テクニカルパートナーに対しては、APIやSDKの使い方など技術情報の提供に加え、実装を円滑に進めるための支援を重視する。単にドキュメントを提供するだけでなく、「どの順番で進めるとスムーズにインテグレーションできるか」「顧客の要件に対して最適な方法は何か」といった観点から、開発前段階でのオンボーディング支援を行う。SaaSビジネスユニットの牛島 敏・SaaSビジネスユニット長は「パートナーになってもらうだけで終わりではなくて、(パートナーと当社の)双方が事業を成長させていくことが大切。そのため、情報提供だけではなく、オンボーディング支援にも注力することが重要と考えている」と述べる。
牛島 敏・SaaSビジネスユニット長
新たなSaaSパートナープログラムでは、KPASクラウドとCameleoに加え、公的モバイルID認証サービス「VeriMe」も対象製品として追加した。パートナーは、製品を組み合わせて顧客に提案することも可能となった。例えば、VeriMeで呼び出した情報をKPASクラウドの顔認証で本人かどうかを確認する使い方のほか、KPASクラウドを活用した顔認証による入退室管理に、Cameleoによる映像記録を組み合わせることで、防犯のためのトータルソリューションとして提供するといったことが可能になるとする。
ロボット関連製品も追加へ
同社では、SaaSビジネスを強化しており、プロダクトラインアップの拡充を進めている。その一例が「RoboSync」だ。RoboSyncは、メーカーの異なるロボットを、単一のプラットフォーム上で共通の操作体系で扱えるようにするSaaSで、25年10月に提供を開始した。従来の商材で開拓が進んでいなかった製造業向けSaaSビジネスの展開を狙う。
RoboSyncに加え、ロボットの導入前段階で、顧客の現状を把握し、検討を支援するSaaSの開発も進めている。今後は、これらロボット関連プロダクトについても、新たなSaaSパートナープログラムへと段階的に統合していく方針だ。牛島SaaSビジネスユニット長は「(プログラムに統合することで)製造業のパートナーとそれ以外のパートナーとの新しいシナジーが生まれるのではないか」とし、今後新たに加わるSaaSと、既存のSaaSとの間で、これまでになかった組み合わせやユースケースが生まれる可能性に期待を寄せる。
KPASクラウドとCameleoで合わせて200社ほどの既存パートナーがおり、徐々に新たなSaaSパートナープログラムへの移行を実施。現状では、約60社のパートナーが移行を完了している。新規パートナーの拡充にも取り組み、28年度までに加入企業500社達成を目指す。