店頭流通

イーディーコントライブ USBで社内情報の漏えい防止 セキュリティシステムと連携

2005/02/21 18:45

週刊BCN 2005年02月21日vol.1077掲載

 イーディーコントライブ(山口征浩社長)は、社内データなどを安全に持ち出して編集が可能な暗号化アプリケーション内蔵のUSBメディア「セーフティ・ディスクロージャーUSB」を3月から販売開始する。自宅や出張先などにデータを持ち出して作業ができることで業務の効率化につながり、さらに情報漏えいも防止できるというのが製品コンセプト。セキュリティシステムとの連携を強化できる製品として拡販を図る。

 「セーフティ・ディスクロージャーUSB」は、パスワードを入力することでUSBメディア内のデータの閲覧や編集が可能になる。メモリ容量は64MBと128MBの2種を予定。価格はオープンだが、一般的な店頭価格は64MBで1万2800円程度、128MBで1万5000円程度の見込み。

 USB本体を紛失した場合でも、データを暗号化しているため第3者はデータを確認できない。自宅や出張先など外部のパソコンで編集したデータは、USBメディア内に保存され、専用の管理ソフトをインストール済みのパソコンでのみデータを複合できる。小椋量友紀・取締役シニアコンサルタントは、「市場に出回っている暗号化アプリケーション内蔵のUSBメモリは、ほかのパソコンで作業する際にHDD(ハードディスクドライブ)にデータを移すため、情報が漏れやすい」と語り、他社製品との違いをアピール。「当社の製品はUSBメディア内で作業を行うため、情報が漏れることはない」と強調する。

 販売ルートは、パソコン専門店や家電量販店のほか、同社のウェブサイトでの直販など個人向けへの販路が中心。将来は、「システムインテグレータとパートナーシップを組み、セキュリティソリューションとして提供していきたい」(小椋取締役)考えだ。さらに、セキュリティベンダーへのOEM(相手先ブランドでの生産)提供も行っている。セキュリティベンダーのインテリジェントウェイブが情報漏えい対策システム「CWAT」と連携する暗号化アプリ内蔵USBメモリを発売している。

 今年4月の個人情報保護法の施行を前に、社員に対して社内で管理する顧客データなどの情報を外部に持ち出させないセキュリティポリシーを策定する企業が増えている。一方、自宅にデータを持ち帰って作業を行わなければならない場合や、営業担当者などが顧客データを持ち歩かなければならないといったケースにどう対処するかが課題になっている。業務効率を損なわないためには、持ち出したデータをいかに安全に管理できるかにかかってくる。

 同製品の販売目標については、「情報漏えい防止のセキュリティシステムを導入した大手企業などから付加価値製品として引き合いが強く、発売後1年間で3万本」(小椋取締役)と自信をみせている。
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