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ロジテック 耐衝撃ボディHDDを発売 約70センチの落下でもデータ保護

2005/02/28 18:45

週刊BCN 2005年02月28日vol.1078掲載

 ロジテック(星野雄之輔社長)は、衝撃吸収素材を内蔵、フローティング構造を採用した業界初のポータブルHDD(ハードディスクドライブ)「LHD-PBC」シリーズを3月上旬から順次発売する。耐衝撃ボディを採用したため、万一の落下時にHDDが破損する危険性が少なく、保存データを保護できる。各社が機能強化でしのぎを削ってきたポータブルHDDは、ここにきて、価格、機能とも差別化しにくくなっている。このため、同社は耐衝撃ボディを“売り”に攻勢に出る。同シリーズでは、月ベースで1万台の販売を目指す。

 LHD-PBCシリーズは、内部構造がHDDを全方向から衝撃吸収素材のクッションで支えるフローティング構造(HDDがアルミケースに固定しない構造)にした上で、小型軽量化(幅80×薄さ19×奥行き138ミリ)したのが特徴だ。衝撃吸収素材は、東芝の新型ノートパソコン「ダイナブックSS」と同じ「ミヤフリーク」を採用。同社の評価試験によると、机や平均的な日本人男性が手を下ろした約70センチの高さから、ベニヤ合板を敷いた鉄板上への100回落下に耐え、落下試験後も正常に読み書きができたという。

 HDDユニットには、「流体軸受ドライブ」を採用しているため耐久性に優れ、冷却ファン不要の静音設計で騒音が発生しない。また、USBやIEEE1394ケーブルから電源を供給するUSBバスパワーに対応しているほか、USB接続時に電源容量が不足する際に使うUSB補助電源ケーブルも付いている。

 耐衝撃ボディを採用した理由について、同社の六波羅恵・製品開発部開発管理課課長代理は、「4月施行の個人情報保護法に向け、セキュリティだけでなく、HDDの破損からデータを守る要求が高まっている。ポータブルHDDは、各社とも機能や価格差を出しにくいが、耐衝撃性を打ち出すことで他社製品と差別化でき、新たな需要を掘り起こせる」と、自信を見せる。

 LHD-PBCシリーズは、USB2.0/1.1接続モデルで容量100ギガ/80ギガ/60ギガ/40ギガの本体カラーがシルバーとブラック(ブラックは60ギガを除く)の7種類、マッキントッシュで普及しているIEEE1394に対応したモデルも7機種揃え、計14モデルを発売する。いずれも面倒なドライバのインストールが不要で、ほとんどのOS標準のドライバを使用できる。また、ファイルアロケーションテーブル(FAT32)をフォーマット済みなため、接続するだけで利用できる。

 価格は、USB2.0/1.1接続モデルの40ギガタイプが最も安く1万4600円(税別)から。同社の他のポータブルHDDに比べほぼ同価格帯を実現した。3月上旬から順次発売し、月ベースで1万台の販売を目指す。
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