店頭流通

NEC ウェブ直販サイト、中上級者を中心に好調 04年10─12月期は1日7万人が来店

2005/03/21 18:45

週刊BCN 2005年03月21日vol.1081掲載

 NEC(金杉明信社長)のウェブ直販サイト「NECダイレクト」は、昨年2月の開設以来、来店者数が2004年10-12月期の3か月間に1日平均約7万人を記録した。同サイトの前身である「121@store」時代の同じ時期に比べ2倍以上に増加したことになる。パソコン中上級者層を中心に高性能の水冷モデルや高性能モバイル機が売れ筋となっており、同サイトによる今年度(05年3月期)の売上高は前年度比約2倍の200億円程度に達する見込み。さらに、今年4月以降はサイト認知促進を目的に直販モデルの実機展示スポットを拡大するなどの施策を打っていく。

 NECでは、NECダイレクトの好調を受けて一層の拡大策を進める。直販モデルの実機展示スポットの拡大のほか、05年度(06年3月期)上期をめどに携帯電話からアクセスできる商品サイト「NECダイレクトモバイル」も開設する。

 パソコンとパソコン以外のAV(音響・映像)機器を組み合わせたアライアンスやチャネルの強化も図る。

 すでにパイオニアのプラズマテレビやアップルコンピュータのiPodをNECダイレクトで販売しており「パソコン+ホームデジタル市場を視野に入れた販売展開に力を入れ、3年後の07年度には売上高1000億円、1日の来客数100万人」(那須俊彦・パーソナルソリューション事業部長)を目指す考えだ。

 NECダイレクトの現在の顧客層は、パソコン中上級者層が7割を占め、残り3割が初心者層となっている。中上級者を中心にデスクトップでは水冷モデルが全体の53%、ノートパソコンでは高性能モバイル機が全体の38%を占める売れ筋となっている。

「店頭ではスタンダードモデルのバリュースターLやラヴィLが中心に売れているが、ウェブ直販ではデスクトップ、ノートパソコンともに上位モデルが売れ筋」(那須事業部長)と、店頭とウェブ直販では顧客層が明確に分かれるという。

 今後は、売れ筋の水冷モデル、高性能ノートパソコンのラインアップ強化を検討しているほか、カスタマイズに抵抗感がある中初級者向け店頭モデルをもとにHDD(ハードディスク)やメモリの一部をアップグレードした「NECダイレクト推奨モデル」を展開する。そのほか、開設1周年を機にページデザインをわかりやすくリニューアルし、NECのCRM戦略の一環としての初心者サポートを強みとした戦略で売上増につなげていく。

 今年2月にはNECダイレクトモバイルサイトをトライアルスタートした。現在は製品写真がなく文字中心の構成だが、05年度上期中にはキャンペーン情報や商品情報、閲覧者限定クーポン情報などを発信するなど、サイトの充実を図る。下期にはパソコンのほか周辺機器の購入ができるECサイトも構築する。

 さらに、NECダイレクトの認知度を高めるために、直販モデルの販売チャネルとして展開しているラオックス(東京)やグッドウィル(名古屋)の一部の店頭だけでなく大阪、福岡、仙台、北海道の主要都市へも実機展示スポットの拡大を計画している。
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