店頭流通

コンピュータ・アソシエイツ コンシューマ向け市場に参入 スパイウェア対策ソフトも発売

2005/04/04 18:45

週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載

 コンピュータ・アソシエイツ(CA、三ッ森隆司社長)は、コンシューマ向けセキュリティソフト市場に参入した。4月1日からウイルス対策ソフトほか、3製品のダウンロード販売を開始。4月22日からは店頭販売にも踏み切る。今夏をメドに、パーソナルファイアウォールなど複数の製品を新たに発売する計画もある。大手3社による寡占と言われる市場に参入した狙いは何か。三ッ森隆司社長に聞いた。

 ――コンシューマ向けウイルス対策ソフト市場は、シマンテックなど大手3社でシェア約90%を占める状況が続いている。

 ある調査会社の数字では、2007年まで前年比約30%増で市場は拡大し続けるとのレポートが出ており、私自身も同様の感触をもっている。また、当社の独自調査では、ウイルス対策ソフトをすでに使っているユーザーのうち約40%は期間切れの時に、他社製品へ乗り換えている結果が出ている。

 上位3社による寡占市場ではあるが、新規需要もあり、また乗り換えを促進できる市場環境でもあると認識している。後発とはいえ、割って入れる自信はある。

 ――ウイルス対策ソフトだけでなく、スパイウェア対策ソフトも同時発売する。コンシューマにとっては、スパイウェアに対する認知度や必要性はまだ高くないように感じる。

 今は確かにその通りだが、コンピュータウイルスと同様に問題視される状況が必ず来る。スパイウェア対策機能を付加している競合製品もあるが、CA製品の方がはるかに機能・品質面での優位性は高い。今からスパイウェア対策を前面に打ち出すことで、スパイウェア対策に強いCAを印象付けたい。ウイルス対策ソフト以上に力を入れていると言っても良いジャンルだ。 

 ――どのようなチャネルを活用して、販売していくのか。量販店やパソコン専門店などのショップ販売は低迷しているが。

 ショップをメインチャネルに考えている。発売後1年間の獲得ユーザー数は20万ユーザーを掲げており、そのうち約55%はショップでの販売が占めることになるだろう。

 ショップ販売は厳しい状況かもしれないが、コンシューマにとって一番買いやすいチャネル。ディストリビュータやショップと一緒にそれぞれが利益を享受できるような形で、販売戦略を練っていきたい。

 ――そのほかの販売経路は。

 自社サイトとソフト販売サイト数社を通じたダウンロード販売も開始する。また、将来はISP(インターネット接続業者)の回線サービスとのセット販売とパソコンへのバンドルも進めていく。

 ――法人向け市場への相乗効果をどのようにみているか。

 コンシューマにCAという企業を認知させることで、法人向け市場でのブランド力が高まる。これにより、セキュリティだけでなく全ジャンルで法人向けビジネスが拡大するとみている。法人向けのセキュリティ事業では、参入前の実績に比べ、2倍の売り上げまで引き上げたい。
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