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映像関連機器の販売動向

2005/04/18 16:51

週刊BCN 2005年04月18日vol.1085掲載

価格下落が顕著に

2番組録画など高機能化へ

 テレビキャプチャボードやテレビキャプチャユニットなど、映像関連機器の価格下落が顕著になってきた。BCNランキングによると、冬商戦が幕を開けた昨年10月まで1万5000円台で推移していた平均単価が、同11月以降は1万4000円台に下がっている。デスクトップパソコンでテレビチューナー内蔵モデルが主流になったことで映像関連機器の需要が減少。加えて、購入理由の決め手に“低価格”を挙げるユーザーが多いことが、値崩れに拍車をかけているようだ。

 組立パソコン用パーツ専門店の間では、「映像関連機器が爆発的に売れたのは昨年の夏商戦まで」との声が多数を占める。「冬商戦からは、パソコン中級者や初級者も購入するようになってきた」と、ユーザー層の裾野は広がっているものの、「こうしたユーザーは、なるべく安いコストで映像機能をパソコンにつけようとする傾向が強い」という。

 映像関連機器の価格が下落傾向にあるのは、パソコンメーカー各社がパソコンにテレビチューナーをはじめ、さまざまなAV(音響・映像)機能を搭載してくる一方、映像関連機器の機能が陳腐化しつつあることが原因といえそうだ。

 「パソコンでテレビを見たい」というニーズは、パソコン本体を購入すれば事足りるようになった。ユーザーの映像関連機器に対する購入意欲を再び呼び起こすには、パソコン本体よりも高度な映像機能を付加することが不可欠ということになる。最近では、Wチューナーの搭載で2番組録画が可能なテレビキャプチャボードや、ノートパソコンに接続して外出先でもテレビが視聴できるUSB対応テレビキャプチャユニットなどが出始めており、パソコン上級者など一部のユーザーから徐々に人気を博している。

 映像関連機器メーカー各社がパソコンのAV機能だけでは実現できない高付加価値製品を発売することが、低価格化を抑えるカギとなる。
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