店頭流通

デジオン 家電へ積極的にアプローチ コンテンツ共有ソフト技術 OEM供給と販売を強化

2005/04/25 18:45

週刊BCN 2005年04月25日vol.1086掲載

 マルチメディアソフトウェア開発・販売のデジオン(福岡県福岡市、田浦寿敏社長)は、ホームネットワークを通じてパソコンやデジタル家電に保存しているコンテンツを共有するためのソフトウェア技術「DiXiM(ディクシム)」のOEM(相手先ブランドによる生産)供給およびパッケージ販売を強化する。「今年は本格的にホームネットワーク化の動きが広がる」(染谷裕・営業部門担当取締役)として、DMA(デジタルメディアアダプタ)、DVDレコーダー、DVDプレーヤー、テレビ本体への組み込みを狙い家電メーカーへ積極的にアプローチしていく。昨年9月、台湾に営業および技術サポート拠点を開設し、米国にも年内めどにサポート拠点を開設する予定。

 ディクシムは、家庭内のネットワークで接続された複数のパソコンでビデオや写真などのデジタルコンテンツを共有するためのソフトウェア技術。現在はOEMで各メーカーのハードウェアに搭載して販売しているほか、昨年11月からはパッケージソフトの販売も開始している。NECは04年1月以降、富士通は同じく9月以降のコンシューマ向けパソコン全機種に採用しており、シャープ、日立製作所、エプソンダイレクト、KOUZIROなども一部機種に搭載している。

 また、ソニーのネットワークメディアレシーバー「ルームリンクVGP-MR100」、シャープのネットワークメディアプレーヤー「CE─MR01」でも搭載。

 すでに国内パソコンメーカーの多くが採用していることから、パッケージソフトの主なターゲット層として、まずは「自作パソコン利用者などの先進的なパソコン利用者」にアプローチを図り裾野を広げていく考え。

 また、パソコン以外での搭載にも力を入れ、「DMA、DVDレコーダー、DVDプレーヤー、テレビ本体への組み込み向けにも力を入れていく」方針だ。今年は急速にホームネットワーク市場が立ち上がると見て、急拡大を予想する。

 さらに、海外展開も積極化する。04年9月に同社初の海外拠点として営業および技術サポートを行う台湾支店を開設。次いで年内には「米国にも拠点を開設」する計画だ。海外に進出している日本の家電メーカーのサポートなど体制強化を図り、ワールドワイドでのビジネス展開の本格化を急ぐ。

 同社は、福岡市の本社に「デジオン相互接続検証ラボ」を設置している。これは、ネットワーク上のさまざまな機器が複雑な設定なしで接続できる世界標準仕様「UPnP」や「UPnP AV」、「DLNA(デジタルリビングネットワークアライアンス)」のガイドラインなどに対応した機器を開発するメーカーが相互接続検証するための施設。同ラボでは、パソコンや家電、AV(音響・映像)機器、半導体などの大手メーカー27社がホームネットワーク製品の接続性の検証などを行っている。
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