店頭流通

ドーガ 小中学生向けCGアニメ制作ソフトを販売へ 無償版を機能強化し、低価格で提供

2005/05/02 17:00

週刊BCN 2005年05月02日vol.1087掲載

 パーソナル・コンピュータグラフィックス(CG)制作・ソフト開発のドーガ(鎌田優代表)は、小中学生を主なターゲットとしたCGアニメ制作ソフトの販売に乗り出す。教育機関向けに無償配布してきたCGアニメ制作ソフトの機能向上を図り、低価格(3000円未満)で提供することによりCGアニメ制作の裾野拡大を進めることが目的。一般市場でのソフト販売のノウハウをもつパートナーを募り、チャネルを確保し、学校教育の中でCGアニメに触れた小中学生が家庭でより本格的なCGアニメを制作できる環境を整えていく考えだ。

 同社は、これまでもパーソナルCGの振興を目的に任意団体・プロジェクトチーム・ドーガ(かまたゆたか代表)としても活動しており、財団法人・コンピュータ教育開発センターとも連携し、CGアニメ制作ソフトを準無償・無償で配布している。さらに昨年秋以降は、大阪府や大阪市などとも協力し、CGアニメ入門ソフト「DOGA-Eシリーズ」の配布を進めており、導入学校数は従来のシリーズを含め500校を超えるまでになっている。

 無償配布版は、2時間程度の授業で作品を完成させる構成になっているが、生徒の関心は高く、家庭などでも日常的にCGアニメを制作できる環境を求めるニーズが高いと判断。本格的な3次元CGアニメを制作できるよう機能強化を図ったうえで、販売用ソフトとして市場で流通させたい考え。価格については、小学生でも購入できるよう2000円から3000円未満に抑える一方、シリーズ化による組み合わせで画像作成から動きを付け加えたり、表現力を高めたりできるようにする計画。

 教育機関への配布は2005年度も拡大する見通しで、学校でCGアニメ制作に触れる生徒は増加する。また、毎年、一定数の生徒がCGアニメ制作に触れることになるため、市販版についても長期にわたり継続的な需要が期待できる。

 ただし、これまで同社で開発したソフトは、無償配布などの形で提供してきており、一般の市場流通ルートでは展開していない。このため、今後はノウハウをもつパートナーを募り、製品化についての助言や販売チャネルの確保などの体制を整備する。一般市場を通じて入門ソフトを本格的に販売することでパーソナルCGの裾野拡大を進めたい考えだ。
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