石井克美のデジタル家電ナビ
<石井克美のデジタル家電ナビ>7.リアプロテレビに注目(1)
2005/05/23 16:51
週刊BCN 2005年05月23日vol.1089掲載
日本の居間に合う30-40インチ前後の大画面テレビ。だが、その選択肢は現在のところ高価なプラズマ/液晶テレビといったところだろう。だが、この大画面フラットパネルテレビも1-2年後には大画面テレビの主役の座から引きずり降ろされてしまうかもしれない。そのカギは液晶/DLP/LCOSなどの画素方式を採用した「リアプロジェクションテレビ(リアプロ)」が握っている。
自発光のプラズマテレビと見間違えるほどの高輝度で高精細な大画面テレビの正体は、画素方式により画面の裏から映像を投射するリアプロ。
従来のCRT方式のリアプロは、大画面ではあるもの、その画面輝度は暗く、しかもフォーカスが甘いというイメージだった。しかし液晶/DLP/LCOSなどを使った近年の「画素方式」は画質が大幅に向上しており、日本と住宅環境の異なる欧米ではリアプロが根強い人気を博している。
「リアプロは非常に小さなデバイスで、画面サイズを自由に変更することができる。さまざまなサイズのラインアップを揃える時にも生産設備投資が低くて済み、コストダウンにつながる。画質面でも、プラズマや液晶など直視型テレビに比べても遜色ないレベルになってきているし、しかも価格はプラズマや液晶の半分以下。大画面テレビの主流として、リアプロは将来的に有望と考えている。さらに消費電力の面でも液晶テレビとほぼ同等、プラズマと比べた場合には、その半分程度とかなり経済的であるため、そうした面でも消費者にも納得してもらえる製品と捉えている」と、セイコーエプソン、ソニー、ビクター、日立製作所をはじめとするメーカーサイドは語る。
国内では、住宅環境に一番合う40インチ以下でも高画質で低価格のリアプロの供給が、近々始められるのではないかと予測されている。技術的には決して難しくなく、この先、市場でリアプロの認知が高まって、普及が進めば十分可能だろう。普及型に搭載される0.9インチデバイスの開発も進められているから、サイズ的にもさらにコンパクトな製品が期待できる。
現状で考えると、液晶やプラズマといったフラットパネルテレビは、価格を大幅に下げることは難しい。だが、リアプロなら40インチ以下で20万円を切ることも近い将来可能だろう。しかもデジタル放送の特色の1つであるハイビジョン映像対応でだ。これまで認知度が低かったリアプロが大画面テレビの選択肢として有力な候補になった、といえるかもしれない。
日本の居間に合う30-40インチ前後の大画面テレビ。だが、その選択肢は現在のところ高価なプラズマ/液晶テレビといったところだろう。だが、この大画面フラットパネルテレビも1-2年後には大画面テレビの主役の座から引きずり降ろされてしまうかもしれない。そのカギは液晶/DLP/LCOSなどの画素方式を採用した「リアプロジェクションテレビ(リアプロ)」が握っている。
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