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無停電電源装置(UPS)の市場動向

2005/08/08 16:51

週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載

直近2か月間で販売台数50%増

APCとオムロンの2強争い

 無停電電源装置(UPS)の販売が伸びている。図は、BCNランキング週次データをもとに、最近約2か月間の販売台数を指数化して示した(5月30-6月5日の週を100とした場合)。

 図で表した範囲内で、前週を下回った週は1度だけ。それ以外は前週を上回る。直近の週(7月18-24日)では、5月30-6月5日の週に比べ49.8%増で推移するなど好調だ。

 一部のショップでは、UPSを大々的にプロモーションするコーナーが設けられるなど、ショップ側が拡販に動いている。落雷による停電被害などが発生しやすい季節となったことで、ショップ側が重要性を説明するなど、ニーズを喚起している。また、価格もエントリーモデルであれば1万円以下の機種があるなど、製品が多様化し、一般消費者の選択範囲が広がっていることも好調の要因だ。

 UPSは、停電などで電源供給が受けられなくなった場合に、UPS自体が備えている電源に自動的に切り替わる。パソコンで作業中に電源供給がストップしても、データが失われる心配がない。各製品の主な差別化ポイントは、電源の最大容量や電源を供給するバックアップ時間だ。

 メーカー別シェアでは、エーピーシー・ジャパン(APCジャパン)が台数シェア48.0%でトップを獲得。次いでオムロンが40.1%で2位。3位のエレコムのシェアは8.4%と上位2社に大きく水をあけられており、さらに製品別上位10製品は、APCジャパンとオムロンの2社で占められている。両社の一騎打ちという状況だ。

 これまでUPSは産業機器やサーバー用途が中心だったが、一般消費者向けに価格を抑えた製品も増えた。他の周辺機器よりも市場規模は小さいながら、販売台数は着実に伸びており、パソコン周辺機器のなかでも存在感が増している。
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