店頭市場ピックアップ

ベアキットPCの販売動向

2005/08/15 16:51

週刊BCN 2005年08月15日vol.1101掲載

上位3社のシェア争いが激化

アサステックが僅差でリード

 マザーボードと電源、PCケースがセットになったベアキットPCの店頭販売は、ASUSTek(アサステック)とAOpen(エーオープン)、Shuttle(シャトル)の上位3社が激しいシェア争いを繰り広げている。BCNランキングによると、今年7月のメーカー別販売台数シェアは、アサステックが29.8%のシェアでトップ。続いてエーオープンが28.4%、シャトルが26.5%となった。

 直近6か月間をみると、トップの入れ替わりが激しい。エーオープンは、今年2月に35.4%、3月に34.1%と圧倒的なシェアを誇っていた。しかし、シャトルは今春に「XPC」シリーズで平均実売価格が1万6000円台の低価格モデル「SS56G V3.0」を発売したことなどにより、4月に31.7%のシェアでトップを獲得、5月も首位を維持した。アサステックは、人気モデル「ビンテージ」の平均実売価格が1万2000円台から1万1000円台に下がり、6月に29.1%、7月に29.8%でトップに立った。

 ベアキットPCは、パソコンパーツを買い揃えてオリジナルパソコンを組み立てるよりも簡単に自作できる点と、手頃な価格が評価され顧客層が広がっている。ベアキットPCの平均実売価格は7月で2万2500円程度。これに、CPUやメモリ、OSなどのパーツやソフト、液晶ディスプレイを加えても10万円以内で購入することが可能だ。

 パーツ専門店にとっては、自作初心者の来店などにより新規顧客が開拓できることに加え、ベアキットに搭載されていないパーツや液晶ディスプレイなど、顧客のニーズに適した商品を薦めてさらに利益を確保できる商材と位置付けている。

 一方、ベアキットPCメーカーにとっては、ショップブランドのオリジナルパソコンやパソコンメーカーによる低価格モデルが増えているため、ベアキットPCの店頭価格を下げざるを得ず、少なからず利益が圧迫される状況に陥りつつある。

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