店頭流通

東芝 DVDレコーダーが復調 1月は前年同月比10%増に ハイビジョン対応機種に注力

2006/02/13 18:45

週刊BCN 2006年02月13日vol.1125掲載

 東芝は、ハイビジョン対応のDVDレコーダーの販売に注力する。「昨年年末商戦は、台数ベースで前年割れとなったものの、今年1月は前年同月比10%増と好調に推移している。今年は、昨年ハイビジョンテレビを購入したユーザーが、次にDVDレコーダーを購入するタイミング」(小林浩・デジタルメディアネットワーク社・映像営業事業部DAV国内営業部企画担当主務)と見ており、消費者に対して地上デジタルチューナー搭載モデルの啓蒙に力を入れる。

 昨年DVDレコーダーが苦戦した理由として東芝は、薄型テレビの活況と、暖房機器に需要を奪われたと分析している。しかし、今年は、「1月の販売台数が、前年同月比10%増」(小林・DAV国内営業部企画担当主務)となり、販売は拡大傾向にあるという。今年度(06年3月期)は、DVDレコーダー全体で前年度比横ばいを見込んでいるものの、来年度(07年3月期)は同10%増に拡大すると見ている。

 「昨年ハイビジョンテレビを購入した消費者が、次にDVDレコーダーを購入するタイミングが今年に当たる」と、ハイビジョンレコーダーの普及拡大を見込んでいる。BCNランキングでもハイビジョン対応機種の構成比が昨年1月の5.0%から今年1月には27.6%に拡大しており、「ハイビジョンモデルでは首位」を自負する東芝では、今後さらにハイビジョンモデルを中心に販売展開を加速する方針。

 DVDレコーダー市場のシェア争いが激化するなかで、東芝は、ハイビジョン対応機種の需要を掘り起すために、地上デジタル放送の説明用パネルを用意したほか、カタログなどで訴求している。また、昨年11月からはハイビジョン録画ができる機種であることを示すシールを本体に貼って、消費者にアピール。「今年末にはハイビジョン対応機種の販売台数構成比が50%を超える」と見込む。

 DVD・HDDレコーダーは昨年以降、各社とも2番組録画やHDD大容量化などを進め、熾烈なシェア争いを演じている。今後は各社ともハイビジョン対応の機種にさらに力を入れてくるのは間違いないため、東芝では対抗策として「使いやすさと、機能の優位性を幅広いユーザーに向けて訴求する」ことで差別化を図っていく方針だ。

 同社は昨年、「VHSが付いた3in1モデルが女性や年配層に好評」を博し、ユーザー層の拡大に成果をあげたという。2月上旬には、3in1モデルで地デジチューナー内蔵の「RD─XV81」を投入し、根強いVHSユーザーの掘り起しを目指す。

 また、昨年まで受注生産で販売していたHDD(ハードディスクドライブ)1TBの「RD-T1」を一部店舗でハイエンドユーザー向けに1月下旬から取り扱い始めた。今後は、一般ユーザーにわかりやすく、ハイエンドユーザーに充実した機能面を訴求することで差別化を図っていく。
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