臨界点

インターチャネル・ホロン 取締役COO 脇坂龍治

2006/08/28 18:45

週刊BCN 2006年08月28日vol.1151掲載

 インターチャネルとホロンが合併し、2006年8月1日付で「インターチャネル・ホロン」が設立された。企業規模の拡大で製品アイテムが増大。「多品種小ロットを追求でき、一段とユーザーニーズに対応できるようになる」と脇坂龍治・取締役COOは自信をのぞかせる。インターチャネルとホロンは、両社とも教育関連やトレーニング関連のパソコンソフト市場で他社にはない製品を発売し、上位シェアを維持してきた。徹底してユーザーの声を反映したソフトで、新しい市場を創造する方針だ。 佐相彰彦 取材/文 大星直輝 写真

合併による拡大で業績アップに自信 ニーズ対応で新しい市場を創造

 ――インターチャネルとホロンが合併した効果は。

 「企業規模が拡大し、製品アイテムが増えたことが業績アップの大きなカギになる。ユーザーがパソコンソフトに求めるものは、それぞれに異なり、メーカーは小ロットで多品種の製品提供を迫られるようになってきた。さまざまなニーズに応えるには、多くの製品を揃えなければならないし、製品に価値を付加するサービスの提供が重要となる。ブロードバンドの進展でネットサービスの提供が可能になるなどインフラは構築できる。しかし、従来は個々のニーズに対応できる製品が揃っていなかったのが実情だ。こうした課題が合併で解決できた」

 ――合併当初は、商習慣の違いから組織体制を整備しなければならないという見方もあるが。

 「インターチャネルとホロンは、パッケージソフトの提供だけでなく、販売後のサービスを重視するという点で企業文化が似ている。しかも、お互いが持っていなかったものを補える“文化融合”の力が発揮できる。これまでは、会社が小さかったことから、1人が2案件をこなさなければならなかったが、社員が増えることにより、2人で5案件をこなせるようになる。業務効率を上げるという点でも合併の効果は大きい」

 ――具体的な売上高の見通しは。

 「現在、2社を合わせて70億円の売上規模になった。これを、2-3年以内に100億円規模まで引き上げていく」

 ――今後、力を入れるジャンルは。

 「知的好奇心を満足させるパソコンソフトだ。昨年2月に発売した『脳力トレーナー』がトップシェアなのは、ユーザーのニーズに適した製品だからだ。これまでユーザーの多くは、業務効率化に役立つソフトを求めていた。しかし、今後は知的好奇心を満たすためのソフトを欲しがるユーザーが増えていくとみている」

 ――新しいジャンルのソフトを創造する活動については。

 「常に行っていく。しかし、新しい市場はメーカーが創り出すというより、ユーザーの声に適したものが市場として確立するといえる。英会話ソフトの『iPodでどこでも英会話』が良い例だ。『iPod』のユーザーからは、通勤や通学などで音楽を聴くことに加え、英会話も覚えたいとの声があがっていた。この声を製品化に生かしたことで、順調な売れ行きを見せている。新しい市場を創造するためには、メーカーとして多くの製品を出してユーザーの反響を確かめつつ、さらに改良していくことが重要と考えている」

 ――新しい事業に着手する計画は。

 「『iPodでどこでも英会話』のユーザー向けにサロンの開設を検討している。ユーザーは、自分の英会話レベルを知りたがっている。こうしたユーザーが気軽に英語で話せる場を提供していきたい。これは、当社のソフトで実際に英会話のスキルが身につくことを実感させる効果がある。ユーザーから製品の良さが口コミで広がれば、新規ユーザーを増やすことにつながる」

DATA FILE
■合併効果で製品力がアップ

 教育・学習ソフト市場メーカー別シェア(7月31日-8月6日)で、前週までトップだったソースネクストを5.9ポイント引き離し、2社が合併した新会社インターチャネル・ホロンが首位の座を獲得した(図)。

 製品別シェアで2位を維持している旧ホロンの「iPodでどこでも英会話」がけん引し、旧インターチャネルの「ケンチャコ大冒険」シリーズなどが加わったことから、合併による製品力の強化が発揮された。

 そのほか、トレーニングソフト市場では、製品別シェアで旧インターチャネルが2005年2月に販売開始した「脳力トレーナー」が首位を維持している。「ニンテンドーDS」の脳トレーニングから人気が飛び火し、今年1月に製品別シェアでトップを獲得した。以来、トップの座は他社に譲っていない。

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