店頭流通

中国の家電市場 ハイエンド層を狙え! 冷蔵庫をめぐる“熱い戦い” DVD、ネット対応と多彩

2007/05/28 16:51

週刊BCN 2007年05月28日vol.1188掲載

【北京発】 中国の冷蔵庫市場が盛り上がりをみせている。この活況を支えているのが、「おしゃれ」「高機能」「省エネ」という3つの要件を備えたハイエンド向け冷蔵庫である。これまでは外資系メーカーがハイエンド層のニーズに応えていたが、中国メーカーも続々と参入し、市場では熱い戦いが繰り広げられている。

 中国の家電量販店は、いわゆる白物家電の販売に一層力を入れているが、なかでも勢いを増しているのが冷蔵庫である。華やかな冷蔵庫が売り場で目を引き、「おしゃれ」志向の強い高級冷蔵庫が、市場の表舞台に登場し始めていることを実感させる。

 例えば、韓国のLGが発売した赤地に花柄の冷蔵庫は、中国のモダンインテリアに合うような「おしゃれ」なデザインを求めるユーザーの要望に応えるものである。実際、中国の調査会社が実施した消費者調査でも、冷蔵庫を選ぶポイントとして「外観がおしゃれ」であることを選択した人は72.9%に達し、第1位となっている。

 中国の調査会社・賽諾データ社の発表によると、2006年の冷蔵庫の総販売台数は3079万台で、昨年同期に比べ8%上昇、金額の成長率も19.6%に達し、この5年間で最高を記録した。これまで薄利多売といわれた冷蔵庫であるが、近年は販売台数が増加しても価格の下落はみられず、平均単価は05年に比べ8%ほど上昇した。

 市場全体の中でハイエンド向けが占める割合は約3割といわれており、消費者が二極分化するなかで今後もハイエンド向けの比率は引き続き高まっていく傾向にある。「おしゃれ」というキーワードのみならず機能面でも多様化が進み、独自の目玉機能がアピールされている。現在、最も注目を集めているのが、ハイアール社などが発売した野菜のビタミン増加機能である。日本でもLEDを利用したビタミン増加機能付き野菜保存庫が話題になったが、中国でも次第にこのような付加価値型冷蔵庫が店頭に並ぶようになっている。またDVD再生機能付き冷蔵庫、インターネット接続可能のディスプレイ内蔵型冷蔵庫など機能の方向性は各社さまざまだ。

 ハイエンド向け冷蔵庫は、これまで外資家電メーカーの独壇場であったが、中国のローカル系メーカーもこの市場に次々に参入している。ハイアールは、早くからハイエンド向け市場に参入し、約30%のシェアを占める老舗であるが、国美、蘇寧、順電などが広東省・深市市場を中心に、シェアを拡大しており、今後他の地域でのシェア拡大が予測される。
齋藤浩一(サーチナ総合研究所就任研究員)
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