店頭流通

アップル 超薄型ノートのMacBook Air発売 ネット利用を前提とした用途提案を

2008/01/28 18:45

週刊BCN 2008年01月28日vol.1220掲載

 アップルが、MacBook Airの販売を1月16日から開始した。出荷は、2週間後となる1月30日から。光学ドライブの排除などによって薄型化を実現。同時に、これまでドライブを利用していた用途をすべてネットで置き換えるという新たな利用提案を行っていることが特徴だ。

 米サンフランシスコで開催されたMacworldにおいて、スティーブ・ジョブズCEOが発表したMacBook Airは、予想されていた通り、「超薄型」という言葉が当てはまるものだった。

 前方最薄部はわずか4mm、後方最厚部でも19.4mmでしかない。国産メーカーのモバイルPCは、満員電車の中でも耐えうる強度を訴求しているが、アップルではそこまでは言及していない。ただ、MacBook Proと同じアルミニウムを採用することで一定の堅牢性を実現することに成功した。

 また、「薄型化とはいえ、機能を妥協せずに開発した」とジョブズCEOが語るように、WXGA表示対応の13.3型ワイド液晶、フルサイズバックライト付きキーボード、マルチタッチテクノロジー対応大型タッチパッドを搭載。CPUには、インテルと共同開発としたという1.6GHzまたは1.8GHz動作のCore 2 Duoを搭載。これが薄型化に大きく寄与しているようだ。重量は1.36kg。

 無線機能は、標準でIEEE 802.11nドラフト準拠無線LANおよびBluetooth 2.1+EDRを搭載。別売りの外付けドライブとして「MacBook Air Super Drive」を用意しているが、「映画はiTunesでレンタルし、アプリケーションソフトのインストールはリモートドライブ機能、バックアップはTime Capsuleを利用。また、音楽CDを焼くという用途も、iPodで代替できる」と、光学ドライブを不要とする提案を行っている点が見逃せない。

 マックの周辺機器の接続方法として普及しているFireWireを省くというほどのインターフェースの見直しだが、これがアップルが提案する新たなPC環境といえよう。映画のレンタルサービスは、まずは米国のみでサービスが開始されるものだが、ドライブを不要とする利用環境の提案が受け入れられ、定着するかが注目される。
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