アイ・オー・データ機器の業績が順調に推移している。今年度(08年6月期)中間決算は増収で、黒字転換を果たした。大きな要因は、コンシューマ向け市場でいわゆる「大容量化ニーズ」が浸透し始めており、ストレージ機器の販売が爆発的な伸びをみせていることにある。

コンシューマに大容量化が浸透

―アイ・オー・データ機器 執行役員 平野義久 開発本部長

 「今後は、コンシューマ市場で1TB(テラバイト)の需要が必ず高まってくる」。同社の細野昭雄社長が数年前にこう予想した。当時、この言葉に業界は半信半疑の様子だった。そんななか、「社長の言葉に間違いはない。その方向に進むべきだ」と、開発面で指揮を執るのが平野義久・執行役員開発本部長だ。

 1TBモデルを市場投入したのは、06年夏のこと。自社業績が赤字に転落したため、堅調に伸びていたストレージ分野で挽回を図るためだ。しかし、当初発売した「LANDISK Tera」シリーズは、“LAN接続型ハードディスク”を謳ったことから、「SOHOや中小規模オフィスがメインターゲット」というイメージが強かった。平野執行役員は、「コンシューマに受け入れられなかったのは事実」と打ち明ける。そのために、中小企業を対象とした「Windows Server」搭載の製品を投入したりした。

 しかし、市場は静止画だけでなく動画の保存に最適な機器を求めるようになる。法人向けに販売していたストレージ機器をコンシューマが購入するようになったのだ。「コンシューマが大容量機器を求めるようになった」と平野執行役員は実感する。製品開発面では、コンシューマ用途を視野に入れた大容量ストレージの市場投入を一段と加速。07年4月には、ホームネットワーク用「LANDISK Home」を発売した。この製品が業績アップに少なからず寄与した。

 今年度中間期の業績は、売上高322億5900万円(前年同期比8.4%増)、営業損益が6億8900万円の黒字(前年同期は4億300万円の赤字)となった。通期見通しについては、売上高649億円(前年度比5.1%増)、営業損益19億2000万円の黒字(前年度は4400万円の赤字)を見込んでいる。コンシューマ向け製品の伸びにともない、法人向けの販売にも好影響が及んでいる。(BCN・佐相彰彦)