店頭流通

ラオックス 山下社長が店舗戦略語る 中央集権体制から地方分権へ

2008/06/09 18:45

週刊BCN 2008年06月09日vol.1238掲載

地域特性生かした店舗経営重視

 大型店舗を設置して広範囲なエリアの顧客を獲得するのではなく、商圏範囲300-500メートルほどの小商圏に絞った店舗経営を重視。来店者に対するきめ細かいサービス提供を強化することで、他の家電量販店との差別化を図る。また、本部が各店舗を管轄する従来の「中央集権型」から、各店舗に商品調達や店舗作りなどの権限を委譲した「地方分権型」へとシフト。各地域の特性にあった店舗づくりを進める。不採算店舗の閉鎖も昨年度(2008年3月期)と同様に進める。昨年度は子会社を含め、グループで18店舗を閉鎖したが、今年度は9店舗を閉める計画を示した。新規出店で新たな商圏エリアに進出するのではなく、既存商圏での売上高向上を主眼に置く。

 トップ就任からほぼ1年間、山下社長は前社長が進めた店舗戦略からの脱却を推進してきたが、今年度はさらに加速させて業績回復を目指す方針だ。

 ラオックスの昨年度連結業績は、売上高が前年同期26.9%減の589億8100万円、当期純損失は59億9200万円(前年同期は52億9200万円)と低迷した。ただ、山下社長は「過去の成功体験を捨て、もう一度原点に立ち返る。社員の顧客に対するサービス精神の回復と意識改革、既存店舗のリニューアルで業績回復は十分可能」と自信を示す。

 今年度の連結業績は、売上高が前年度比3.6%増の611億円、当期純損失は5億5000万円を見込む。
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