店頭流通

サンディスク メモリカード、好調な売れ行き 携帯電話の多機能化が後押し

2008/08/04 16:51

週刊BCN 2008年08月04日vol.1246掲載

データ容量の増大にニーズ

 サンディスクは、メモリカードの販売が順調に推移している。写真撮影をはじめとして、ワンセグ放送の視聴など携帯電話の多機能化によってデータ容量を増大させることへのニーズが高まっているためだ。こうした状況を受けて同社では、デジタルカメラ以外にもメモリカードの用途を模索。今後はゲームデバイスとの連携なども視野に入れ、ビジネス拡大を図る。

 コンシューマ市場では、携帯電話の多機能化が進む。“カメラ付きケータイ”が主流であることに変わりはないが、最近はワンセグ放送が視聴できる機種が増えている。端末メーカーにとっては、付加価値機能を追求することで幅広いユーザーの購入を促すことができるからだ。こうした多機能化によってデータ保存の必要性が出てくることから、管理に必要なマイクロSDを中心としたメモリカードの購入が一段と活発化する環境下にある。

 サンディスクでは、メモリカードの用途として携帯電話内のデータ管理が付加されたことによりビジネスが順調に拡大しているという。日本市場での具体的な業績は明らかにしていないものの、「ワールドワイドでは、売り上げが前年度比33%増となった。日本も同程度の伸びを示した」(青柳マテウ代表取締役)と自信をみせている。

 メモリカード市場はデジタルカメラでの利用が中心だが、用途が増えている状況。松下電器産業がデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、薄型テレビやDVDレコーダー、カーナビゲーションをつなげるためにSDカードを活用するという戦略を掲げているように、メモリカードがビジネスの核になる可能性を秘めている。そんな状況から、メモリカード関連ビジネスに力を入れるメーカーも多く、「価格競争が激しくなっている」(青柳代表取締役)。このような状況にあっても、BCNランキングによれば、サンディスクは国内市場でトップシェアを獲得している。

 同社では「メモリカードのニーズが多様化することは間違いないだろう」(青柳代表取締役)と分析。今後は携帯ゲーム機との連携も模索する。
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