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総務省・情報通信審議会 地デジの著作権保護で新方式を提言

2009/09/15 16:51

週刊BCN 2009年09月14日vol.1300掲載

 2011年のアナログ停波に伴う地上デジタル放送(地デジ)開始に向けて、カウントダウンが始まった。その地デジの著作権保護の方式について、総務省は現行のB-CAS(ビーキャス)に加え、新しい方式の導入を決めた。批判が出ているB-CASの1社独占状態を解消すると同時に、地デジを受信できる機器の小型・低価格化を図り、普及に弾みをつけたい考えだ。

B-CASの独占批判に対応

 総務相の諮問機関である「情報通信審議会」は、地デジの著作権を保護する受信方法で、現行のB─CASに加え、新しい方式を導入するよう提言する中間答申を発表した。現状ではB─CASカードはビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(東京・渋谷区)のみが発行しており、1社独占との批判が出ていた。総務省では別の方式も導入することで競争を促し、携帯電話などにも搭載可能な小型チップの開発や地デジ受信機などの低価格化につなげる狙いだ。

 新方式はARIB(電波産業界会)が標準規格、Dpa(地上デジタル放送推進協会)が運用規定を年内にも策定。放送事業者などが契約条件を策定し、受信機メーカーにヒアリングを行う。その後、放送事業者やメーカーなどが新方式を運営する「ライセンス発行・管理機関」を設立。機関とライセンスを結んだ放送局は新方式に対応するため設備の改修を行い、電機メーカーなどが受信機を開発・販売する計画だ。

 新方式はソフトウェアや小型チップで機器に組み込まれる見込み。技術仕様はオープンで、地デジのコンテンツ保護だけを目的とし、視聴者の識別番号などの確認は行わないため、受信機の小型化や低コスト化ができるという。

 現在は、標準規格、運用規格の策定に入った段階で、年内にも機関の設置を目指している。

 電機メーカーでは「B─CAS以外にも選択肢が増えることは歓迎。議論にも積極的に参加し、当社にとってメリットがあれば採用したい」(ソニー)、「カードのサイズにとらわれることなく商品企画の自由度が増すことを期待している。技術仕様や契約条件を見て判断するが、前向きに検討している」(東芝)など、新方式の導入を歓迎する姿勢だ。

 一方、中間答申にはB─CASの小型化や、あらかじめカードを機器に入れ込む「事前実装」といった項目も盛り込まれた。新方式の導入は、メーカーにとって新たなコストを生むことにもなる。そのため、B─CASを引き続き採用し、普及は進まないのでは、との見方も出ている。(米山淳)
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