店頭流通

DivX ブランドイメージ向上図る 量販店向けに販売員の研修を検討

2009/11/05 18:45

週刊BCN 2009年11月02日vol.1307掲載

 ビデオコーデックDivX対応の家電が大きな広がりをみせている。DivXは、BDやテレビ、携帯電話などで国内外のメーカーとライセンス提携し、有力メーカーの大半を網羅。大沢幸弘・アジア代表&日本代表は国内市場が「右肩上がりで伸びている」と満足げに語る。とはいえフランスやイタリア、韓国など消費者の認知度が「100%近い」(大沢幸弘・アジア代表&日本代表)諸国に比べ、国内での浸透率はまだ低いのが課題として残る。積極的に家電量販店に働き掛けていくほか、セミナーなどを開催し、ブランドイメージの向上を図る方針だ。

 DivXは、三つの事業戦略を掲げる。第一は、「3Dコンテンツなど新しいコンテンツに広がりをもたせ、『革新的』なサービスを提供していくことだ」(バイスプレジデントプロダクトマネジメント担当のカナーン・ジェミリ氏)。第二にはネットストリーミングへの対応、第三にはブランドの確立を目指すとし、とくに日本とアメリカ、中国での知名度向上に努める構えだ。

大沢幸弘・アジア代表&日本代表(左)とバイスプレジデントプロダクトマネジメント担当のカナーン・ジェミリ氏

 国内では、CEATECに出展したりメディアへの露出を増やしたりしているほか、量販店向けの施策として販売員の研修を検討している。消費者への訴求には、「どこでも使える、見える、簡単だという事例を増やしていきたい」(ジェミリ氏)と構想を語り、地道な戦略で市場の開拓を進める。

 大沢幸弘・アジア代表&日本代表は、「国内ではすでにDivXを受け入れる土壌は育ってきた」とみている。大手家電量販店のヨドバシカメラとエディオンは、ホームページで専用コーナーを設け、DivXを紹介している。「ヨドバシカメラのホームページでDivXを検索すると、100件近い商品が出てくるのではないか」と話す。東芝のホームページのトップページにDivXの4文字が登場したこともあり、着実にDivXが浸透していると分析する。

 「DivX形式のDVDを買えば、技術に詳しくなくても使える」(大沢代表)。ユーザーフレンドリーである点がDivXの魅力だとアピールする。現在メーカー各社では、それぞれのデバイスに互換性をもたせ、ネットワークで結ぶホームネットワークシステムに注目が集まっている。「コンテンツプロバイダとデバイスの橋渡しのような役割」(ジェミリ氏)を担い、ビジネスの潮流に乗る考えだ。(信澤健太)
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