店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】ソニー(後編) 独自施工のコーナーで高音質をアピール

2010/04/28 18:45

週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

遠藤莉美氏
 ソニーマーケティングパーソナルミュージックエンターテインメントMK課の遠藤莉美氏は、量販店を中心に全国のウォークマンの売り場作りを担当する。力を入れているのが、コーナーで売り場を確保すること。売り場面積の大きな都市型量販店では、広いスペースを確保し、ソニーが自ら施工して売り場を作り上げている。

 こうした売り場では、試聴コーナーを核にウォークマンのラインアップを並べ、シリーズを比較するPOPやソニー/ウォークマンのロゴなどを大々的に露出。「周辺機器を含めて、ウォークマンという“塊”がお店のどこにあるのか、すぐわかるようにする」(遠藤氏)ことが狙いだ。

 もちろん、量販店にもメリットがある。コーナーには、必ずアクセサリや周辺機器が陳列してあるので、販売が製品単体で終わらず、周辺機器とのセットで売れていくからだ。

 もう一つ、熱心に取り組んでいるのが、ウォークマンの「音の良さ」を来店者に店頭で実感してもらうことだ。遠藤氏は若手の営業部員と組んで、ノイズキャンセリング機能の訴求で一つの試みを始めた。ウォークマンの付属ヘッドホンの上に、オーバーヘッドバウンドのヘッドホンを重ね、付属ヘッドホンから音楽、オーバーヘッドバウンドヘッドホンから電車のノイズを流す。

 この方法で音楽を電車で聴く状況を擬似的に作り出し、ノイズキャンセリングの効果とそこから生まれる音の良さを体感してもらうようにした。結果、「製品を手にとってもらう機会が増えた」(遠藤氏)という。一時はiPodに大きく水を開けられていたウォークマンだが、シェアも持ち直してきた。「量販店からは『ソニーが頑張れば市場も拡大する』とエールを送っていただいている。その気持ちに応えていきたい」と、遠藤氏は意欲を燃やす。(米山淳)

ビックカメラ有楽町店本館のウォークマンコーナー
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