店頭流通

サンディスク 大容量メモリカードの普及へ本腰

2010/06/03 18:45

週刊BCN 2010年05月31日vol.1335掲載

 サンディスク(小池淳義社長)は、大容量メモリカードの利用促進キャンペーン「大きく、残そう。」を、2010年4月22日~6月30日の期間で展開している。なぜ今、大容量メモリカードなのか、キャンペーンの意図を、マーケティング部の大木和彦ディレクターに聞いた。

SDスロット付きテレビが後押し

キャンペーン広告のメイン写真「ハクトウワシ」の撮影現場では、サンディスクのメモリカードが使われた
 キャンペーンでは、動物写真家の前川貴行氏が撮影した動物たちの高画質写真を、さまざまなかたちで展開。同社のウェブサイト、新聞・雑誌・交通広告、店頭展示のほか、大きなビジュアル広告を載せたトラックを都内に走らせて大々的に告知し、消費者に大容量のメモリカードを利用するメリットを訴えている。

 大木ディレクターは、「今、16GB、32 GBなど、2ケタGBのメモリカードでないと、ハードの機能を十分に生かせない状況になりつつある」と語る。「例えば、コンパクトデジタルカメラでハイビジョンムービーが撮れるし、デジタル一眼も動画撮影機能を備えている。ハイビジョンムービーを1分間撮影しただけで、データ量は100MBを超える。静止画だけなら1ケタGBのメモリカードで十分だと思っていても、動画を撮ればあっという間に使い切ってしまう」(大木ディレクター)からだ。

 SDカードスロットを備えたハイビジョンテレビが登場し、テレビの大画面で手軽に写真や動画を楽しむスタイルが広がっていることも、SDカードの大容量化を後押ししている。現在、対応しているのはパナソニックと三菱電機の製品だが、デジタルカメラのSDカード対応が進み、SDカードがメモリカードのデファクトスタンダードになった今、「近いうちにすべてのテレビがSDカードスロットをもつようになる」と大木ディレクターは読む。

 写真や動画を大画面で映せば、カメラの性能や記録形式による画質差は一目瞭然。消費者は、より高精細な画像を求めるようになる。サンディスクはキャンペーンで、「ひょっとしたら、もう一生ないかもしれないシャッターチャンス。記録されていないデータは復元できない。感動のサイズを縮小せず、高精細に残そう」というメッセージを消費者に強く訴え、より大容量メモリカードの利用を促していく。(武井美野里)
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