本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。
Question. 販売戦略は?
【共通質問事項】 (1)販促のための施策 (2)目指す方向性 (3)スキャナ市場のこれから
Answer.PFU  |
楠忠和氏 イメージビジネス営業統括部 販売推進部 部長 |
(1)【拡販施策】関連会社の富士通パーソナルズが、一貫して店頭での施策を担当し、製品展示やPOP展開を行っている。2006年4月からは、主要都市で体験イベントも実施している。最近のユーザーは、スペックや価格などの基本情報はウェブで入手する。しかし、使い勝手を知ってもらうには、やはり製品を触ってもらうのが一番だ。店舗に対しては、「なぜPFU製品がいいのか」という理由を明確に示すことで、売り場での製品露出を増やしていく。
(2)【方向性】市場での高いメーカーシェアを誇示し、それにあぐらをかいていてはいけない。競合メーカーではなく、あくまでもユーザーと向き合い、策を講じていく。長い間、業務用を軸に事業を展開してきたが、01年に個人向け市場に参入したことで、新しいユーザーを獲得できた。時代によって製品のニーズや性能は変わってくる。それを踏まえたうえで、製品の改善を進めるなどして、新市場を開拓していく。
(3)【市場の今後】スキャナ市場はこれからも伸びていくとみている。市場拡大のキーワードは、最近注目を集めている「企業向け情報管理システム(ECM:Enterprise Content Management)」と「クラウド」だ。ECMは、ソフトやソリューション、スキャナを組み合わせることで企業の経営課題の解決を支援する。一方クラウドでは、もともとデータ化している文書だけでなく、紙の文書もスキャナで取り込めば同じように閲覧でき、仕事の自由度が高まる。
Answer.キヤノンマーケティングジャパン  |
神田英彦氏 オフィスデバイス商品企画本部 ページプリンタ商品企画部 IMS商品企画課 |
(1)【拡販施策】IT系のウェブ媒体を通じて、シートフィード型スキャナの幅広い使い方を提案している。とくにブロガーの声は影響力が大きく、期待している。店頭では、雑誌の抜き刷りを置いて訴求している。また、これは偶然だが、著名なビジネスパーソンが、仕事でのスキャナ活用術を書籍で紹介した。このことでスキャナ全体の認知度が高まった。外的要因ではあるが、市場が活性化したのは喜ばしいことだ。
(2)【方向性】製品の操作性とデザイン、そしてスキャナの基本性能である紙を搬送して取り込む技術を追求していく。また、データをオンラインで保存・管理するウェブサービス「Evernote」をはじめ、各種アプリケーションとの連携を見据えている。現在のユーザーは、アーリーアダプタが中心だが、幅広いユーザーに使ってもらいたいと考えている。ユーザーの声に耳を傾け、ベストセラーではなく、ロングセラーとなる製品作りを目指す。
(3)【市場の今後】ちょっとした考えを書き留めたメモなど、気づいたときにすぐ記録しておけるのは、紙ならではのメリット。こうしたアイデアの源をデジタル化するのがスキャナだ。スキャニングした文書を閲覧できる端末も、これから続々と登場してくるだろう。PCやスマートフォンといった複数の端末とクラウド環境を組み合わせることで、いつでも蓄積したデータを閲覧でき、情報が活用しやすくなる。そうした点で、スキャナ市場の拡大を期待している。
(井上真希子が担当)