店頭流通

ビックカメラ 中国人客向けの取り組みを強化 新規の顧客獲得に期待

2010/08/19 18:45

週刊BCN 2010年08月09日vol.1345掲載

 大手家電量販店のビックカメラは、7月1日から中国人の個人観光客向け査証(ビザ)発給要件の大幅緩和を受け、免税コーナーの拡充や中国語を話せるスタッフの増員、各種割引特典などの施策を打っている。店舗を訪れる日本人客が固定しつつあるなかで、中国人客という新しい顧客の取り込みに積極的に取り組んでいる。

 ビックカメラ有楽町店本館では、中国人へのビザ発給要件緩和によって中国人客が増えることを見越して、6月にステンレスボトルや磁気ネックレス、日本製の時計など、免税コーナーの製品を拡充。中国語を話せるスタッフも、4名から8名に増員した。

 また、中国人客に広く普及する銀聯(ぎんれん)カードで買い物をすると、免税分5%に加えて、さらに5%を割り引く特典を用意。会員に対して上海・北京の主要駅や商業地域に設置している端末で各種割引きクーポンを発券するサービス「VELO」を利用し、ビックカメラのクーポンを発券して持ってきた中国人客には、最大13%の割引きで商品を販売している。

 ビックカメラの「VELO」クーポンは、今年2月に発行を開始。「クーポンを持って来店する中国人のお客様は着実に増えている」(B2階・カメラコーナーの長島輝明主任)という。

 中国人客には、「デジタルカメラや炊飯器が人気で、なかでもソニー、キヤノン製品など、世界的にネームバリューの高い製品が売れている」(長島主任)。また、高品質というイメージで、日本製にこだわる中国人客が多いことから、有楽町店本館では、POPで「Made in Japan」を積極的にアピールしている。

 ビザ発給要件緩和以前は、団体で訪れる中国人客が多かったが、「今は少人数で来店するお客様も増えている」(長島主任)という。日本人客は、ある程度、買い物をする店舗を固定しつつあるとみる同社では、「中国人旅行者を、新しい顧客として取り込みたい」(長島主任)と、その購買力に期待をかける。(武井美野里)

ビックカメラ有楽町店本館の免税コーナー(B2階)
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