店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】日本ヒューレット・パッカード(後編) 売り場からの提案が結果につながる

2010/09/30 18:45

週刊BCN 2010年09月27日vol.1351掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

高野浩
コンシューマビジネス営業部
第二グループ
チーフアカウントマネージャー
 世界規模でプリンタ業界をリードしているヒューレット・パッカード(HP)。その日本法人、日本HPでインクジェットプリンタのコンシューマ向け営業を担当するコンシューマビジネス営業部第二グループの高野浩チーフアカウントマネージャーは、家電量販店とECサイトの本社商談を担当している。それぞれが業界の有力企業で、「販売に関して常によいところを吸収している。学ぶことが多い」という。

 量販店とECサイトでは、業務形態の違いから、出てくる要望は異なる。他社製を含むPCとのセット販売や、印刷用紙、メモリカードなどの販促品を付けるなど、アプローチはさまざまだ。高野チーフアカウントマネージャーはそれぞれの声を受け止め、きめ細かく対応している。

 量販店に対する営業活動では、製品の紹介から在庫の確保、店頭での販促施策、店員や現場スタッフの意見の吸い上げまでを一貫して担当する。現在、担当する量販チェーンでは約6割の店舗がHP製プリンタを置いているが、「実績を上げて、さらにカバレッジを高めたい」と意気込む。

 日本HPは、2007年10月、タッチ式液晶モニタ搭載モデルを他社より早い段階に投入し、09年には全モデルに展開した。「製品には自信があるが、その操作性のよさをどうやってお客様に伝えるかに悩んだ」という高野チーフアカウントマネージャーだが、道を開いたのは、売り場に配置する応援スタッフから上がってきたアイデアだった。このアイデアをもとに、人差し指を立てた手が左右に揺れるPOPを制作し、お客様に売り場で実機を触ってもらえるよう、モニタの横に置いた。これは店員からも好評で、販売実績の向上に大きく寄与したという。さらに、「店頭に立つスタッフからの素早いフィードバックが成果をもたらした」と、現在の営業体制に対する自信にもつながった。

 高野チーフアカウントマネージャーは、国内市場でのHPのインクジェットプリンタの存在感を高めるために、この体制をさらに強固にする施策を練っている。(井上真希子)
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