店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】日本ヒューレット・パッカード(前編) ビジネスパーソンに製品の魅力を訴求

2010/09/24 18:45

週刊BCN 2010年09月20日vol.1350掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

大高真理子
イメージング・
プリンティング事業統括
コンシューマービジネス本部
コンシューマー
マーケティング部部長
 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、ワールドワイドのインクジェットプリンタ市場で確固たる地位を築くメーカーだ。世界市場で長年の実績をもつのが強み。ただ、国内ではその力を十分に発揮できておらず、8月の「BCNランキング」メーカー別販売台数シェアは4.7%で4位に甘んじている。

 コンシューマーマーケティング部は、全国に店舗展開している量販店、約15社を取引先として抱える。それぞれの顧客層や店舗の特徴、立地条件を掴み、そこに適した製品を置くよう心がけているという。例えば、都市部の店舗ならビジネス向け複合機を充実させる、といった具合だ。「一定の効果は出ている」と大高真理子部長は手応えを語る。

 製品のターゲットは、ビジネスでHPのPCやサーバー、ストレージを仕事で使っている人。「こうしたユーザーであれば、製品の使い勝手に加え、ワールドワイドで培った信頼性や革新性をもつHPブランドを評価してくれる」(大高部長)。

 HPのプリンタは、ウェブサイトの必要な部分を選択して印刷するソフト「HP Smart Web Printing」や、直感的に操作できるタッチ式液晶モニタを搭載するなど、毎年の新モデルで常に利便性を追求してきた。今年は、PCと接続しなくても、プリンタ本体からネットワークにつないで印刷ができる「HP Photosmart Wireless B110a」を8月に発売しており、この秋以降、新製品を追加投入。シェアの拡大に向けて攻勢をかける。

 年末まで続く商戦では、製品数はもちろん、POPなどの展示ツールを充実させ、販促に注力していく方針だ。「製品を通して、ユーザーの生活をより便利に、豊かにしていきたい」。企業の知名度に安住することなく、製品の魅力を地道に伝えていこうとする姿勢がうかがえる。(井上真希子)

日本HPのプリンタ売り場(ビックカメラ有楽町店本館)
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