店頭流通
ヤマダ電機の山田昇会長に聞く中国戦略 「日本の家電量販店は今、最高の出店好機」
2011/08/01 18:45
週刊BCN 2011年08月08日vol.1394掲載
最大のポイントは「人」
――これから中国で店舗展開を進めるにあたって、最も大事なものはなんでしょう。
山田 まず、「人」の質的・量的な確保が最優先です。瀋陽店の出店に先立ち、中国人留学生を100名採用しました。昨年度(2011年3月期)は50名、今年度も50名採用します。いい人材を確保し、企業文化や企業理念を徹底して教え込んで共有することが大事です。よく中国の人は日本の文化にはなじまないとかすぐ転職するとかわがままだとかいわれているようですが、必ずしもそうではありません。
――中国人の社員は御社に馴染んでいると。
山田 大量採用を始めて3年目ですが、社員は辞めていません。その代わり、給与がナンバーワンの同業者を最低レベルとして給与を決定しています。企業理念の徹底・実現のためには、必要なコストだと考えています。
――これから中国でどのように展開していくのですか。
山田 3年で5店舗の出店で、1000億円の売り上げが目標です。次の店は、今年末ごろにオープンの予定です。今は、まだ種まきの時期です。成果が生まれるのは、2~3年後からでしょう。回収は最低でも5年程度はかかるとみています。
――御社の出店は中国の家電量販市場にどんな影響を与えそうですか。
山田 中国の量販店は、まだ“場所貸し”ビジネスで、それ以外はメーカー任せです。自ら店舗を構え、人を採用・教育し、在庫リスクをとって、自分で宣伝して、自分で配送設置する、といったことはできていない。瀋陽店が開店した後、近くに中国式の家電店がたくさんできましたが、どこも状況はよくないようです。
――それは、どうしてだとお考えですか。
山田 自分のための店であって、お客様のための店づくりができていないからです。中国でヤマダ電機は、大きな一番店をつくる都市型の拠点展開だから影響が大きい。ユーザーも徐々に現在の中国式では満足しなくなります。ヤマダタイプの店にせざるを得なくなる。その結果、中国家電販売市の近代化が進むことになるでしょう。お客様のための店づくりを通じて、中国での業界の発展に寄与していきたいと思っています。(BCN・道越一郎)
アナログ停波がもたらしたテレビ特需に沸いた家電量販業界。これから先は、「祭りの後」をどう生き抜くかが最大の課題だ。最大手のヤマダ電機は、飽和状態にある日本の市場を飛び出して、中国での店舗展開を開始した。2010年12月に瀋陽でオープンした海外1号店に続き、今年6月には天津、さらに今年中にもう1店舗を開く予定だ。果たして中国で日本のノウハウが通用するのか。挑戦するとしたら好機はいつなのか。山田昇会長兼CEOに中国事業の戦略に聞いた。
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