出口ではなく「入り口」
今年4月、サイトビジットはfreeeグループに参画した。12月には祖業である法律系資格のオンライン学習サービス「資格スクエア」も別企業に事業譲渡した。スタートアップにとって「イグジット」とも呼べる流れであるが、本人は「入り口、スタート地点に立った気分」と気持ちを新たにする。
決してM&Aが目的でなく「freeeだからM&Aに応じた」。規模の小さな事業者による「スモールビジネス」の成長を支える点で思いは同じ。「思いが似通った会社と一緒にやることにわくわくした。自分の城でやるより、みんなで力を合わせ、より大きな価値を生み出すことを選んだ。それが僕の価値観」
「1 to n」で価値を提供
司法試験に合格し、弁護士として社会人のキャリアをスタートした。弁護士の仕事は水が合い、成果も残していたが、思い切って経営者への道に踏み出した。「1 to 1」でクライアントの課題を解決する弁護士の仕事より、「1 to n」(一対多)で広く社会に価値を提供することが魅力的に思えたからだ。「事業やプロダクトで社会全体にインパクトを与えたくなった」
法律がわからない人に寄り添う
「『民主化』が得意」だという。一部の人しか持っていないものを噛み砕き、一般に広める。資格スクエアでは資格試験の勉強をしやすくし、取得機会の拡大につなげた。NINJA SIGNでは契約行為を容易にした。今後、フリーランスやギグワーカーが増えれば小さな契約がさらに広がっていくだろう。契約をもっと身近な存在にしたい。
「契約を格式ばったものだけではなく、もっとカジュアルにできる世界を目指す。NINJA SIGNは『法律はよくわからないけど、契約を結ばないといけなくなった人』に寄り添いたい」。弁護士から経営者へ。立場は違えど、困っている人を救うことに変わりはないようだ。
プロフィール
鬼頭政人
1981年生まれ。東京大学法学部を経て、24歳で司法試験に合格。都内の法律事務所に勤務後、政府系投資ファンドを経て、2013年にサイトビジットを起業。
会社紹介
ワンストップの電子契約サービス「NINJA SIGN by freee」を運営。freeeが70%を出資する子会社。